音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

トーンアーム周辺 カートリッジの話、その1

 カートリッジの話、その1はトーンアーム周辺。

 

 シェルやワイヤーも含めてカートリッジからアンプまでの物をざっくりまとめておこうと思う。自分でも時々読み返せば、物欲に負けて余分な物を買わないですむ筈だ(笑)

 

 トーンアームはカートリッジを生かすためにある。

 トーンアームにマッチしたカートリッジを選ぶのもありだとは思うけれど、本来、気に入ったカートリッジの音をより良く聴くために相性の良いアームを選ぶのが本流だと思う。この世に存在するすべてのトーンアームに好きなカートリッジを付けて聴いてみることができれば、、、、、、一生かかっても無理だろう。

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AC-3000MC ストレートパイプが主体だがS字アームもある

 

 いくつかの単品トーンアーム、プレーヤーシステム付属のトーンアームも使ってきているが、「どうしてもこれ一つだけ」となったらオーディオクラフトのAC-3000MCだな。トーンアーム自体をシステムコンポーネントとして組むようになっていてカートリッジへの対応範囲がものすごく広い。アームの取説には主なカートリッジへの適合パイプ等記載されていて、これがまた凄いと思う。アームと針のマッチングを勉強するのにもってこいの資料だった。

 大好きなので時々使いながらも、今は違うメーカーのトーンアームにそれなりに満足して保管中、けれど、多分AC-3000MCの方が音が良いんじゃないかと思っている。

 

 突き詰めるとキリが無いと思うけれど、好きなカートリッジを生かすならアーム選びのセオリーはある。まず基本、そしてどんどん深みに入っていけば勉強になる(笑)

 ハイコンプライアンスカートリッジにはアームも軽量な物を。

 逆にローコンプライアンスカートリッジには質量の大きめのアームの方が良く、ローコンプライアンス派にはロングアーム派が多い、と思う。

 ハイコンプライアンス対応アームにローコンプライアンスカートリッジを付けても針圧調整ができれば音は出るが、重たいローコンプライアンス向けのアームにハイコンプライアンスカートリッジを付けると危険、極端に合わなけれはカンチレバー折れのリスクもある。

 プレーヤーシステムに付属のアームの場合にはカートリッジも純正装着物があるなら、そのコンプライアンスでアームの向き不向きを判断すれば良いと思う。

 

 私は舶来信仰はない、そして1975年ごろにオーディオ好きになったので、トーンアームもプレーヤーも日本製の方が好み。

 概ね1970年代後半までは普及機はミディアムコンプライアンスまでで、高級機は単品アームを採用するなどでハイコンプライアンスに対応している物が多かった。

 1980年頃からはハイコンプライアンス対応が多くなっていき、プレーヤーシステムに付属のアームまでもストレートパイプの物が増えていく。

 使うカートリッジを決めていれば割り切ったこともできるし量産効果もあるので単体アームの安い物を上回る高感度軽量アームの付いたプレーヤーシステムも多く存在したがこういう物は遊ぶには使いにくい、と思っている。

 

 「リファレンス」のカートリッジは最高の音を出したいので軽量ストレートアームにシェルリードは銀リッツ、フォノケーブルは低抵抗タイプでトランスまでもっていって、、、とやっているけれど、古めのカートリッジで遊ぶときはそこまでやらない。

 

 ハイコンプライアンスはメインシステムにお任せする。遊び用にはミディアムコンプライアンス用でシェルで気軽にカートリッジ交換できる良く出来たアームが良い。

 単品アームでなくても充分でストレートアームが出て来る前の高級プレーヤーシステムのアームは良い物が多い。

 

 シェルはキーンと響くような共振の酷い物でなければなんでも良いと思う。剛性が充分なアルミやマグネシウムの厚い板のようなシンプルな物が変な癖が無くて好きだ。

 シェルリードもあまり気にしない、シェル付属の物で良いと思っている。高いシェルリード付けなきゃ音が好きじゃない、それは元々好みじゃないって事。アナログは何を替えても音は変わるけれど、本質的に好きな音が出ていなければ、こねくり回しても仕方ない、もっと好みの物を探し当てて買うのが幸せへの近道だ。

 シェルをアームに取り付けるところのワッシャー、今は外さない。

 昔外した方が音が良いというので外したら解像度が上がって「おおっ」となった、が、聴き疲れする。プラシーボって、良いところだけ先に感じるからねぇ。

 レコード再生中にヘッドシェルをそっと指先で触ると震えているのが解る、カートリッジからの振動がアームに伝わりすぎるのか?適度に逃がしてやる方が良いという事だろう。昔から金属系等色々とあったけれど、今もカーボンはじめ紙とか、銅など色々出ているので音を造りこみたいときには気軽に交換出来て楽しいと思う。

 

 アームケーブルは結構音が変わると思う、昔はMM用/MC用と分かれていた。

 数mVがアンプに届くまでに静電容量や抵抗値で周波数特性が変わるのだけれど、アンプもケーブルも良くなったし、カートリッジも概ね負荷抵抗47KΩに合わせて作られるようになった。だから今時はさほど気にしない。

 

 しかし、古いカートリッジは規格があいまいだったらしく、普及モデルだとケーブルをショボい物にした方がそれらしい音になるとか、まあ色々とある。

 カートリッジを替えるたびにケーブルも合わせて変えれば良いと思うけれど、面倒だ。で、アンプ側が対応してくれているとかなり遊べる。

 

 

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アンプ入力側で設定ができると面白い

 サブで使っている物は今はアナログ全盛期のパイオニアのプリメイン。

 MMでは負荷抵抗と負荷容量、MCでは負荷抵抗を選べる。高音がうるさかったらここをこうやって、、、などと、当時の市販のカートリッジを好みの帯域バランスで、というもので、パイオニアに限らず、こういう設定ができるものは多かった。この時代だとレコードが主役、フォノ入力が2系統ある物が多くプレーヤーが2台つなげるのも便利。

 

 最近は外付けイコライザーアンプで負荷容量/負荷抵抗/ゲイン切り替え等多機能なものがあるみたいだけど、お手軽価格、ではないんだよなぁ。買えない。

 良い音がするといわれるシェルリードとかシェルにもドキドキしなくなったのでここにも物欲は出てこない。

 

 けれど、アームは最近のリジットフロートとかいう物は価格も手ごろで今のプレーヤーにも使えそう。それに、これはハイコンプライアンスの物にも対応できるんじゃないか?メーカーに問い合わせて色々訊いたら欲しくなりそうだ。

 

 なので問い合わせない、雑誌で見てドキドキするだけにしている。

 だって、AC-3000MCの復活でさえまだなんだから。