音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

オルトフォン MC-30 MC-20からMC-20Superまで MC-10 カートリッジの話 その9

 MC-30、これは別格だと思っている。

 

 知っている限りの他のメーカー製まで含めても「別格」。あんまりすごいので日本では30Superが出てからも販売していた。

 MC-20を基本としてコイルを銀線にしてダンパーを変えた物なので、基本的な「音の形」はMC-20、やや細身の静かな音なのだが余韻も煌びやかさも解像度も、、、上手く言えないがとにかく違う。トーンアームへの要求がキツイとか、針先が小さくてLPの内周で音質が、、、とか、そういう事も全部ひっくるめて楽しみましょう。

 だって1978年に99000円!!!

 大卒初任給調べたら、給料日に買ったら6000円しか残らないから毎日吉野家で牛丼食べても1か月暮らせない、会社のいけ好かない先輩に媚び売って帰りに夕飯奢って貰って偉そうな事言われなきゃならないんだよ、楽しむ努力を一生懸命にしないでどうする!

 

 オルトフォンのMCは40年以上も前にMC20を新品で安く買ったところから始まる。その頃、なんだかつまらない音だと思って買い取り屋さんに売ったか友人に引き取らせたか、とにかく好印象ではない。

 

 「ガレージオーディオ」を始めてから「リファレンス」の代わりにもなる物がないかな?と探している時にMC20MKⅡは良いのでは?と手を出し、絶対買えなかったMC30を買ってしまい、あれ?MC20、本当は良いんじゃない?という事で改めて中古で購入する。

 良いんだな、これが。

 理由はすぐに解る。トーンアームが合っていなかったという事。以前はアームを変える前に叩き売っちゃった、もったいなかったな。昇圧トランスも安物だったし。。。

 

 MC20はMC30と同じように扱わないと、、、いや、MC20をきちんと使って好きになった人がMC30を買えば確実に「上位」の音を手に入れられる。

 MC10、先日初めて聴いた。廉価版、使いやすいのでアームをさほど選ばない。これが結構良い音なんだよね、学生時代の私はこちらを買っていればオルトフォンパラノイアになっていたのかも?

 

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2023.8.15 追記

 

 サブシステムのアンプを換え、MCポジションがトランス受けでローインピーダンスMCも使いやすくなったのでMC10を普段使いにしてみた。

 サブシステムの他のカートリッジ(MM、IMが多い)よりも硬質で湿り気少な目、どこかの帯域が出しゃばる事のない癖の無い音で解像感も高く、音粒も細かいし高域はうるさくない音がしっかりと出る。低音の切れが良くMCらしさがあり、これ、入門機じゃないでしょ?標準機でしょ?という感じ。日本では多分販売されていないMC-5というのが有ったようなので、入門機はそちらだね。

 使いやすい仕様なので1980年頃の中級フルオートプレーヤーなのに良い音がでちゃう、このプレーヤーのアームでは使い切れないMC20よりもMC10の方が良い。

 ゴールドバグのメデューサが使いやすいのでサブシステム用MCの常用機だったが、このアンプではMC10の出番が増えそうだ。

 

 プリメインアンプ パイオニア A-150D

 A-150/150DはMC入力にトランスを使っていて、ローインピーダンスMCでも音痩せしないで使える。アームさえ良ければMC20もいけるし、たぶんMC30だって楽しめる。とりあえずMC20MK2、使ってみようかな。

 プレーヤー パイオニア PL-380A

 プレーヤーは今回偶然同じパイオニアだが、この時期の中級機以上ならMC10を使うには充分なアームが付いている、はず。

 

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 MC20MK2は、当時のフラッグシップ。音の明るさは変わらないが少し元気に鳴る。MC30のダンパーを採用した当時のフラッグシップなので、もちろん良い、そのうえ使いやすい。適正針圧は1.7gと先代と変わらないが、実はコンプライアンスが低くなっていて、アームの許容範囲が広く使いやすい。中級クラスのプレーヤー(に付属のアーム)ならば20よりも20MKⅡ、ファインラインのバランスの良い音の安心感まで含めて、音の良い常用機として使用中。

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 MC20Superの針。ウチの顕微鏡では子細な形までは解らないけど、綺麗な角柱

 

 MC20Super。音がさらに厚く元気になるが押しつけがましさはなく良い。針先はバンデンハルTYPEⅡ、自重が重くなるが針圧は1.7gのまま。手持ちの機材で何とか使い切れていると思う、できれば30Super(何故かバンデンハルTypeⅠ、気になる)を聴いてみたい。けどなぁ。。。理由は後述。

 

 なぜ、MC20以前とMC20SuperⅡ以降はないのか?使いこなすトーンアームが無いし、欲しい音ではないから。

 MC20以前は概ねローコンプライアンスMC、音が重たすぎて好きでない。

 MC20以降は自重が増えていく。手持ちのアームが対応しにくい。針圧1.8g、ギリギリ対象内と思って20SuperⅡは聴いたが、良い音だとは思うけれどCDを意識した音は少々わざとらしい、そういう時代なので仕方ないのか。1980年頃のレコードを聴くには??? なので、30SuperⅡを聴きたいとは思っていない。

 

 MCなので針が社外品というのは修理品以外ではないはず。

 が、断線は注意。MC20Superから組み立てが変わったとか、デンマーク製でなくなったとか色々と言われているが、断線が多いのは本当だと思う。

 私はMC20Superは3個買って2個断線していた。今使える1個は「当たり」なので今後も大丈夫と信じて使っている。X-1MCも断線していた、動作未確認なので仕方ないが、、、リスク込みでSuper以降を買うよりもMC30の予備機を買った方が、と思ってしまう、そしてその金額なら「リファレンス」の予備機を。。。

 

 MC30は最高評価なんだけど、一番好きではないんだよなぁ、オーディオってそういうもんだ。

 

 備忘録

 Super以降は断線に注意。

 MC10系は案外良いので10SuperとかSuperⅡを見つけたら買ってみよう。