音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

大好きなGOLDBUGを少し深堀り カートリッジの話 番外編

 小規模メーカーのカートリッジの音質には「レア物バイアス」も含まれる(笑)

 

 カートリッジは専業メーカーが作るものだった。レコードが大衆の物になるにしたがって大量生産により安価に供給できるMMが普及する、道具としてはこれで充分なのだが、オーディオという「趣味」故に、より使いにくいMCが復権する。

 1970年代後半からMCカートリッジを発売するブランドが一気に増えた。総合メーカーではないオーディオクラフト、サエク、コーラル、アキュフェーズ、ヤマハ、ビクター、パイオニア

 まあ、これらはみな「母体」がある、別分野での歴史がある、なので自社製にせよ注文生産のOEMにせよ得体が知れる。

 

 では母体も歴史も無さそうなブランドは?

 

 アントレーは株式会社ソルティアアコースティックの販売ブランドとなっているのでそれなりの組織なのだろう。最終的にはFRからトーンアームを抜いたくらいの品揃えにまでなった。

 

 これが海外メーカーなら「どこどこのオーディオ好きな実業家が趣味が高じて」とか、「メーカー系技術者が理想を追い求めて独立」など、人物像付きで紹介されその蘊蓄を前面に押し出して「営業」する。日本ではそういう人物ヒストリーはあまりない。カートリッジで名を冠しているのはイケダだけかな、中心人物が有名なのもサテン、ダイナベクター、光悦くらいだろうか。

 

 ゴールドバグは黄金虫針男さんが作ったわけではなく、かなり正体不明。 「GOLDBUG」 は コガネムシ という意味。現在アメリカのベビー服ブランドが同名であるようだ。「金に投資する人」の意味もある、金相場かぁ、そういうのは私には向かないな。

 手持ちのカタログには株式会社バエスの表記しかない。ここは販売代理店なので、ブランドの母体が解らない。

 もっとも有力な説は録音エンジニアでありオーディオマニアでもある某評論家が企画して「知人の会社」を使って製造依頼し販売代理店に売ってもらった、しかしあまりにも売れないので「知人の会社」は大赤字、早々に手を引いてしまい、その後は販売代理店がコロコロ変わった、と、いうのをどこかで読んだ。最後がエレクトリだったというのは、無名でも良い物を売る姿勢の会社なので音は認められていたのか、と誇らしく思う。

 記事はオーディオ誌だと思うけれどいつ読んだかわからないし、裏付けもない。アンプの設計者が音決めに参加しているという話もあり、こちらはどこかで設計者の名前も見たのだが、、、記憶ではカタカナだったので海外メーカーの人だ。古い雑誌やカタログを集めればわかるかな?

 私はこのストーリーが事実に近いと思っている。録音の違いに合わせたカートリッジというのも納得だし、その評論家は録音の分野で海外でも有名だったらしいので製品が海外で人気があるのが納得できる。

 

 

 

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 GOLDBUG のサークルカッター

 検索していたら見つけて「GOLDBUG」のロゴに魅かれてつい購入。

 用途不明のジャンク品として買ったのだが届いてみるとサークルカッターらしい。造りはしっかりしていて、サークル径は調整できる。この工具を作っていたのが「知人の会社」かな?

 何のため?LP版の中心のレーベルを切り抜く、と思ったらずっと小さい。一番近いのはEP版の中袋の丸穴、だけど、手作業の時代は穴が無かったと思うし。

 餃子の皮としたら小ぶりなので福岡か???

 綴りも同じだし、きっとこれが母体に違いない!違うかな、違うんだろうな。

 

 まあ、今となってはどうでもいいか。とことん深掘りすると仕事的になるので性に合わない。ぼんやりとしたままミステリアスな魅力を楽しむのが趣味として正解。

 

 GOLDBUGは「レア物バイアス」「思い出バイアス」のダブルバイアスかかってるので不満なし、です。

 

 個別モデルの話はこちら

GOLDBUG ゴールドバグ Medusa Clement/Ⅱ Mr.Brier カートリッジの話 その20 - 音遊び~オーディオのブログ

 

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