音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

パイオニア プリメインアンプA-0012  点検/修理

 レコードを聴くことが増え、ついつい買ってしまう古いお気軽カートリッジを思い切り楽しむにはカートリッジの負荷抵抗/容量の切り替えができるアンプが一つ欲しい。

 

 パイオニアのプリアンプC-21が良さそうだ、とか、プリメインならヤマハのA-950も良いかな?、とか、候補はいくつかあった。今はパイオニアのA-900を既にもっている。今回はそれをグレードアップしようかと思って(しなくて良いのに)ついつい購入。

 

 A-0012は流通少なめだと思う。たまに出てきても故障している物が多い。修理品は高値になるし、変にいじられている物だと嫌なので、出っぱなしの動作品を気長に探していた。やっと良さそうな物を見つけた。

 

 少し蘊蓄。

 3WまでA級動作のAB級DCアンプで、AB級DCアンプの最後の世代。

 出力段のパワートランジスタは小電力用を多数並列(スレッショルドナカミチが同じような事をやっていた記憶)というおかしな物を使っている。

**********************************************************************************************

高域スイッチング特性に優れた集団トランジスターRETを採用しています。この素子は、高周波特性に優れた小さなトランジスターを数百個並列合成したもので、破壊強度が高く、高い周波数でも低歪で大出力を取り出すことができます。
また、低域の特性向上のためにDCアンプ構成とし、超低域まで周波数特性を伸ばすとともに、中低域の位相特性を向上させています。

**********************************************************************************************

 との事だ。要するに低音から高音まで良い音しますよ、と。

 

 今所有しているパイオニアA-900、テクニクスSU-V10、ケンウッドL-01Aより2年ほど古い。1979年のA-900からは他社同様疑似A級のモデルとなる。

 疑似A級以前のアンプではトリオのKA-9300(故障中)も持っているが、これはこれでトランジスタらしい良い音なので、古くとも高級機ならば音の魅力はあると思ってこのA-0012に物欲をそそられてしまった。古い高級機としては昔憧れたエクスクルーシブのM4も今は所有している。これはDCアンプですらないけれど純A級、その奥行きのある音質は捨てがたい。

 

 初期動作確認。使用感はあるが致命的な大きな傷はない、けれど天板に錆びが浮いてきている、そのおかげで安く買えたように思う。この時期のパイオニアはあまり塗装が良くないのだろう、以前使っていたパワーアンプのM-77も天板は錆びていた。

 

 底板に昭和61年のメーカー修理シールを発見。発売時1977年(昭和52年)に購入したとして8年で何か壊れた事になる。当時のメーカー修理ならカナブン色のコンデンサー見つけてがっかりすることはないだろう。

 スイッチ類のガリは少しあったが、ガチャガチャやっていたら気になるものはなくなった。トーンコントロールやサブソニック等、機能的にはすべて動作している。

 TUNERのインジケーターランプが点かない。

 

 音は良い。買ったばかりだし、高級機だし、出っぱなしのオリジナルだし当然音は良い、ことになっている(笑)

 

 初期点検が済んだところで掃除と修理。

 

 カバーを開けてみると埃は有るものの、これまでに購入したSU-V10やケンウッドL-01Aに比べるとはるかに綺麗。修理で一度開けているから綺麗、だけど埃がある、という事は修理後に使っていたという事だな。修理シールは1枚だけだし故障/修理を繰り返したハズレ個体ではないと推測。

 

入手後、掃除前

 天板は錆を軽く落として質感を変えないように塗膜を薄くペイント。

 

カバーをペイント

 埃を掃除してから基盤や部品を観察したがパワトラはオリジナル、他も純正然としていておかしな修理はされていないようだ。メーカー修理だから当然か。

 

 掃除後、入力信号無しでしばらく電源を入れておいた、3W+3WのA級アンプなので発熱はあるが、左右チャンネルで温度差も感じられずDC漏れも正常値、優秀だ。

 

 TUNERのランプ修理に取り掛かる。

 TUNERの球切れという事は普段はラジオを聴いていたという事になるかな。L-01AではAUX(CDつないでたはず)の球切れだった、以前の所有者がどんな使い方をしていたか妄想して楽しむオーディオ。PHONOランプ切れはいまだ経験がない、レコードは面倒だからだろうね。

 

 LEDではなく麦球で電源はDCだった、球を変えれば良いのだが同じ麦球は持っていない。基盤への配線は何故かラッピング。

 L-01Aの記事でも書いたが隣り合うランプの明るさが違うのは避けたい、そのため少し面倒なやり方で修理。ラッピングを外すのは面倒なので配線を途中で切って、生きているTAPEのインジケーター球をTUNERに移設。TAPEにはLEDを入れるが、、、、明るすぎる。

LEDが明るすぎ。

 少し離れた位置とはいえ、これでは少々気になるので明るさを調整。

 

明るさを元のインジケーターランプと違和感ない程度に調整

 

 LEDは流れる電流で明るさが変わるので適当な抵抗を直列に入れれば良い。

 と、知ってはいるが追加抵抗が宙ぶらりんになってテープなどで止めるのも見苦しい。もっと簡単に。

 

 LEDを適当なペイントで塗る!

 乱暴なようだが部品は少ない方が良いと思っているのでこの方法を使っている。

 この方法の元ネタは若いころに整備士の先輩が自動車の追加メーターの照明が純正のメーターよりも明るくて目に付くので、マジックで球を塗っていた、というアイディア。

 

 そんな方法はダメだ!という人はマネしちゃいけません、きちんと回路に抵抗を追加しましょう。

************************************************************

 追記

 ランプ修理、やり直しました。手抜きはいけませんねぇ。

 

パイオニア A-0012 再修理。。。アンプネタ3連チャンの2番目 - 音遊び~オーディオのブログ

************************************************************

 

 修理といっても切れていたTUNERインジケーターランプを点くようにしただけ。

 この程度の修理で完動品になるものが元々の音質を楽しめる良い状態の物と思っている。

 

 

 

レコード再生中

 使用中に付くランプはセレクターポジションのみ。下のケンウッドのチューナーのランプがうるさく感じるシンプルさ。

 

 使い勝手は良いと思う。カバーを開けなくても基本的な切り替えはできるし、PHONO1/2ともにMM/MC切り替えができるのはありがたい。

 直前まで使っていたケンウッドL-01Aがカバーを取り外さないといけないのに対してこちらはフラップ式なので煩わしさも感じなく、同じようなつまみがずらっと並んでいるが機能表示はL-01Aよりも確認しやすい。

 サブシステムで使用するので、スピーカーを修理するたびにとっかえひっかえする為スピーカー端子がバナナ対応なのは嬉しい。そういえばM4もバナナ対応だった。この時期のアンプでバナナ対応は少なく、A-900もL-01AもSU-V10もバナナ対応ではないのでここはA-0012が最高(笑)

 あまり必要性を感じないけれどプリ/メインの切り離しもできる。この時期、プリメインの高級機を購入した人は「次はセパレート」だった、のかな?

 

 音質は主観と独断、入手して嬉しいバイアスかかってるので高評価前提。

 A-900も以前使っていたナカミチパワーアンプも中高音は綺麗だが低音の力感は少なく感じるという印象だった、小電力トランジスタの多数並列というのはそういう物だろう、と予想していた。

 本格的にセットしてレコードを何枚か聴いてみると、低音はパワフルという印象ではないがA-900よりも量感があり厚みのある音に感じる。

 今時の小型の低能率スピーカーだと少し音が引っ込む感じ、能率高めのスピーカーの方が艶もありバランスよく聴こえる。

 使用時間などの個体差もあるのかもしれないが、満足度は高い。

 

 レコードやラジオで数時間音出ししたが、特に問題なく好調。当分このアンプで(カートリッジも)楽しむ予定。25Kgという重量は入れ替えが大変だし、ね。