音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

不人気機種で遊ぶ サンスイ FR-3060(3号機)少し改造 

 FR-3060の3号機、2号機でXL-30の馴らし中に準備開始。

 いじったところが多いので忘備録、ですが考察も書いているので長いです。

 

 当初の「フルオートのトーレンスみたいな物」計画は中止。

 重たいプラッター移植のために計測したら、予想以上に問題が多い。

 加工で対応できるけどかなり時間がかかりそう、なので老後の楽しみにする。2号機に適当に軽く防振対策したら効果ありと感じたのでこの延長線という計画に変更。

 

 基本の状態で正常な物をベースにする。いじってから致命的な故障を見つけたり面倒な修理になったら悲しいので、3号機を引っ張り出してまずは確認。

 オート機構を修理、調整。

 不良の原因はいつも通り。必ずココが原因とは限らないが、1号機の時に動作を観察して解っているので、分解前の動作チェックで症状から判断できる、旧知の機械は気楽なもんだ。

 各部給脂、掃除、回転数確認して手持ちのプーリーで一番誤差が少ない物(大差ないけどなんとなく、ね)にしておく。

 今回はヒモコン(ワイヤードリモコンのことです)接続用の配線は除去、どうせリモコン持って無いし、持っててもきっと使わない。

 

 そして、キャビネット中心に振動対策。

 せっかくなのでケースをあちこち爪で弾いて、残響が少なくなるように対策。

 モーターやアームの周辺は多目に貼り付け。アームやモーターに近い上物の方が効果が大きいかも。

 

 防振に使ったのは車用の「エーモン 音楽計画 ポイント制振材」結構昔からあるもので粘着テープ付きで使いやすくハサミで切れるし厚みもシート状の物よりも厚い。

 車だけではなく家庭用の安いスピーカーでだいぶ遊びました。

 フロントバスレフの物でポートの材質が樹脂の筒で音が安っぽく聴こえる時に、ウーファー外してポートの見えないところに貼るとヴォーカルや低音のボワボワがクリアーになるとか、ユニットのフレームやマグネットに貼ると音のざらつきが減るなど、色々とやって防振効果は実証済み。

 エーモン、ええもん売ってます。

 防振シート貼付。見えないところだから見た目はそれなりでOK。

 ここで弁護、元々が駄目なのではなく FR-3060 が良いから改造している。

 改造しなくても当時の畳とふすまの部屋で付属のカートリッジでレコードを聴くのなら何の不満も無いはず。

 ベルトドライブ機では一般的な樹脂と木と鉄のキャビネットだが、サンスイの物は比較的防振性も良いし、簡単に見えるインシュレーターもきちんと働いているようだ。パイオニアやビクターのFGサーボ機初期の中級機も出来が良かったし、音の良いレコードプレーヤーはアームやモーターのスペックだけでなくキャビネットが重くしっかりしていると思う。

 今は少し良いカートリッジも使いたいし、ガレージなので家庭内よりも音量は上げられる、その時にやかましい音にならないようにしておきたい。以前1号機を使っていた時よりもラックもグレードアップしハウリングマージンの向上に効果は大きいが、設置環境が良くなったからこそ、対策の効果が解り易くなっている。

 

 改造の続き。

 

 ケーブルも変えられるようにしようと企んでいたが、今ついている物もこの時期の物としてはかなり太目で良さそうなので、保留。

 高さ調整できるように別のインシュレーターを、と思ったが元の足がまだまだ柔らかく、2号機でも不満は無いので、これも保留。

 ま、どちらも面倒だなと(笑)

 

 少々効きが強すぎると思っているインサイドフォースキャンセラー、3号機のオリジナルウエイトを2号機に移し、社外品を純正重量に合わせていた物の重量追加分を剥がして少し軽量に。

 せっかく鉛を叩いて延ばして切り抜いて張り付けたのに、ねぇ。

 インサイドフォースキャンセラーウエイトを軽量に

 ここは音よりも主に操作性の問題。

 オートしか使わないなら問題ないし、針圧2gならマニュアル操作でも問題ないけれど、針圧1.5gだとリフター操作で上げるときにアームが右に振られる。

 リフターのアームに当たるところは色々だがサンスイの物は山型のゴム、平面のフェルト、平面のゴム、ならば張り替えやすいが、、、、

 アームが乗ると山の頂上がわずかに凹むので横ずれしない、はずなのだがゴムが硬化しているので滑ってしまうという事だな。

 ゴムの山の頂点に細めのサンドペーパーで軽くざらつきを付け軟化剤を塗っておいたので様子見。

 

 キャビネットのカバーが当たるところのゴムが劣化して無くなっている(お決まりですけど)ので、発泡ゴムのシートを丸く打ち抜いて張り付け。

 

 プラッターは3Kgの物は諦めたが、純正の1400gより200g重い手持ちの物なら大きく改造しないで付きそうなので、これを付けることにする。軸受けはシャフトの下面を丸く球状に加工したものではなく、一回り太いシャフトに小さなスチールボールを入れて荷重を受ける高級機の物。元のプレーヤーはワウフラッターもS/Nも FR-3060 より良いので少し期待。ワウフラッター、S/N共に劣る下位機種 FR-2080 用はプラッターが1Kg程度しかない。

 後述のペイントで1660gになった。たかが260g、されど260g。

 モーターは3Kgのプラッターを載せてみても起動から定速までの時間は伸びるが、オートで針が落ちるまでに問題なく定速に達する事を確認済み、1660gならば余裕でしょう。

 

 取り付けに伴う改造点は2点。

 1、スピンドル取付穴の拡大。

 2、プラッターの高さが上がるので合わせてトーンアームの高さ調整、これはベースが下からネジ止めなので何とかなりそう。

 

 スピンドルの取付穴は取り付けベースの鉄板の他に、下に取り付けられた基板の穴も拡大しなければいけないが、パターンに干渉しないで加工終了。

 取り付けは3060のタッピングスクリューではなくM4のネジなので、タップを立てて留めるようにした。

 取付穴の拡大

 アームを上にあげるのはアームベースごと外してワッシャーを入れる、そのためには機構部分を外してアームコードのはんだを外して、、、は、面倒なので2分割のワッシャーを作って、アームベース取り付けネジを緩めて隙間に入れて再締め付け。

 アームの陰なのでほとんど見えないが鉄製なので後々サビると見苦しい、黒くペイントしワックスで錆止め。屋内使用では錆びてくることはないでしょう。

 オート機構の高さずれが出るところを確認し周囲のレバーやセンサー等との位置関係を合わせる。ここの金具をいじるとリードイン/リードアウトは再調整だなぁ、、、面倒。

 

 アームを上にあげる

 以上で終了!

 

 なんだけど、プラッターになんとなく振動対策のペイント。

 効果検証のために純正と比較視聴もしたいなと思い、2号機用にマスキングはやや手抜きして今回外した純正プラッターをペイント。

 少し重いプラッターを防振処理

 2号機用のプラッターの裏側もついでに塗る

 使ったのは遮音性のある塗料。防振ならブチルゴム系シートを一面に張り付ける方が効果ありそうだけど、遊びなので手持ちの物で。

 未対策の物は指1本でぶら下げて、ドライバーの木の柄で軽くたたくと、カァァァァァァァンと響く。

 対策品ではコォォォン。やや音程が低くなり、残響時間は半分ほど。

 残響の音程も時間も実測無し、耳で聞いての感覚。で、充分でしょ。

 

 取り付ける前にしっかり温度を下げるため2時間プレーヤーの脇に放置。暖かいうちに取り付けて熱収縮で外せなくなったらベルト交換できない。

 のんきな趣味です。

 

 ダイレクトドライブの時代になるとプラッター裏側に防振塗料を塗ったりしている物がある。

 当時、ダイレクトドライブはモーターの振動が直接プラッターに伝わり音が濁るとか、余韻に荒さがあるとか、そういう理由だった記憶だな。

 評論家が重箱の隅をつつくような指摘をして、メーカーが真面目に対策して、、、結果、良い物が出来ていくんだけど、、、、、キャビネットがヤワヤワでダメなのにそこをやるの?って感じた物も多かった。

 メインシステムはダイレクトドライブ機だが、プラッターもキャビネットも防振を考慮してある物、これはそのまま使っていても満足。

 

 冷えたプラッター取り付け、各部確認と調整。

 

 最初にリードイン/リードアウトを再調整。

 

 アーム高さが計画通りになっているか確認。

 アームは元々は前下がり(古いプレーヤーでは多い、と思う)、純正シートよりも2ミリ程厚いパイオニアのシートでも前下がりだった。

 今回、プラッターが5mm程上がる、アームを2mm上げ、パイオニアよりも1mm程薄く少し硬質な物に変更、アーム先端で2mm上げたことになる。

 これで再生時のアームの角度は、ここで使っているカートリッジの中では高さのあるソニーXL-30使用時、最近多い180g盤で水平、標準LP版では厚めのマットで水平と良い状態になった。

 アーム角度 厚めのマットと標準LP盤で水平

 そしてリフター調整。

 アームを水平近くで使うとリフターの可動高さの範囲が少なくなるので調整がシビア。

 普通のLPと重量版のLPをとっかえひっかえしながらベストポイントを探す。

 リフターアップ時にXL-30の針先がギリギリで盤面に干渉せず、低いカートリッジでも再生中にリフターが干渉しないで使える高さに調整できた。

 マットは1ミリ薄いのも厚いのもあるので、ダメならマットで。。。。。

 マット、便利だ。

 

 サブで色々なプレーヤーを使ってきたが、FR-3060はメインシステムとのマッチングが良い。

 メインのアームはストレートパイプ中心でお気に入りの針を使っているが、時々S字パイプでカートリッジ交換して遊ぶ。偶然の一致だが3060とこのS字パイプのオーバーハング値は同じ15mm、アームの実効長や位置の関係で実際のシェル取り付け位置は違うかな?と思ったら同じだった。

 シェルへの取り付けをずらさないで済むのでサブでカートリッジ遊びして、良いかなと思ったらそのままメインで聴いてみる、これが楽で良い。

 公表データの比較ではメインシステムでのトラッキングエラー値は30Cmレコード外周で2度6分内周で1度6分と外の方が大きい。FR-3060ではプラスマイナス1度30分と内外同じ角度、結果として外側はメインよりも良い数値となる。

 時代や対応する針にも拠る「メーカー推奨」。内側の角度ずれが少ない方が良いと思うけど、ここを合わせようとすると面倒だから素直に推奨値で使う!(笑)

 

 改造を文章にすると別にやらなくても良い?まぁ、何かしらの変化はあるだろう。

 サブシステム用に必要以上に高性能を求めるわけではなく「やってみたかった、簡単だし」という事。

 

 安いプレーヤーで遊ぶのは10年ぶり?たまにやると楽しいんだよね。