音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

サントリパイのサントリ と OTTO カートリッジの話 その11

 サンスイ、トリオはオーディオ御三家だがカートリッジ製造販売には消極的。

 

 他にもレコード全盛期にオーディオを販売していたLo-D(日立)Aurex(東芝ダイヤトーン(三菱)など家電系メーカー、NEC、ゼネラル(富士通)など通信系メーカー、そしてヤマハソニーも当初はOEM主体。

 

 ベルトドライブの時代、70年代に入った頃のカートリッジは全般に中古相場が安いが基本を共通とするモデルも多いので針の互換性が解ると案外と社外針を安く入手出来たりするのも楽しみのうち。

 

 トリオはオルトフォン、オーディオテクニカ、グランツなどからOEMを受けていて、のちにレコードプレーヤーに力を入れ始めた頃はカートリッジレスが主体だった。

 トリオブランドで聴いた事があるのはオルトフォンのF-15のOEMだけ。

 

 サンスイはトランス内蔵のMCカートリッジが60年代の高級機に使われていて面白そうなのだが見たことが無い。これは自社製かも?古すぎて使えない可能性もあるので積極的に探していないが、使ってる人のブログなどもないので既に「歴史」なのか。

 SV-10(A)がベルトドライブの時代の代表モデル、Aが付いた物の方が上位機種用らしくコンプライアンスが高いみたいだが、今となっては針を選べないので同じものと思うしかない。OEM品だと思うがどこからかは不明。

 ベルトドライブの最後の方になるとSV-41、針圧はこちらの方が重めの2-2.5g。

 どちらも音に癖が無い使いやすいMM、しいて言うならSV-10の方が少し音が元気でSV-41の方がフラットな感じかな、音質は大差なく針のコンディションや個体差もあると思う。

 SV-10とSV-41に針の互換性はない。

 SV-41はOTTOのMG-50と同じもの、ノブの色が違うが古い交換針を探すときはOTTOの方が安かった。

 今もBGM用にサンスイのベルトドライブ機を使っているので、カートリッジをとっかえひっかえするのに飽きるとオリジナルのSV-41に戻して使っている。

 高級機にはSV-27という物が使われていたようだけれど見たことが無い。

 ダイレクトドライブの時代になるとSV-202というデュアルマグネット型というのがあるがこれはオーディオテクニカかな?SV-33とかSV-42とかオーソドックスなMM型もいくつもある。針が生きていればお気軽カートリッジとして使えるだろう。

 案外有名なのはEP-10という型番の物が一時期のフルオート機シリーズについていた、エムパイア2000のOEMといわれている。音はそのままエムパイア、交換針も使える。あまり使わなかったので今はもう手元にない。

 

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SV-10 

 

 OTTO(三洋電機)もOEM主体だが、こちらはもしかするとオリジナル品?というのがある。

 MG-25(L)というのを高級ホームステレオの故障品からいただいてきた。ナガオカの交換針付で、20年以上使っていなかったものだが普通に音が出た。元々は伯父の友人が経営する飲食店でタンゴやシャンソンをBGMに流していた(お洒落な時代ですねぇ)機材らしいが、有線放送が入って不要になった物を引き取ってきたそうだ。

 エクセルのOEM品で1970年ごろの物だが、なんと1990年代後半までApis AP-1シリーズとして基本的に同じものが販売されていた。得意のPH針(ラインコンタクト)付きで11000円。なんと丸針の物は3900円!

 OTTOの針がAP-1に綺麗に収まった。ちょっと感動。

 MG-25は今もなんとなく持っている。レコード聴き始める人にあげても良いと思ってるけど、テクニクス270の方が喜ばれるんだろうな。

 交換針は社外ならば白い箱の安いのが豊富に流通している、なんでだろ?

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OTTO MG-25 と AP-1 AP-1にMG-25用の針を付けてみたところ

 

 MG-27というのがあり、これもOEMの様だが他社に同じものがなさそうなので、OTTOの物、という事になるかなと思っている。多くのメーカーがカートリッジを自社生産していないと思う、仕様を決めて自社専用品を作ればそれはもうオリジナル品。

 MG-50はサンスイSV-41と同じ、シャープもあるらしいので、この時期の標準品みたいな物なんだろう、音は当然サンスイと同じ。

 後の上級機にはシュアーM-91が付いているプレーヤーもあった。

 

 安いレコードプレーヤー(スピーカー内蔵の一体型とかありましたね)には「セラミックカートリッジ」というのを使うそうで、製造していた三洋電気の関連会社(中電、興味ある人は「中電 カートリッジ」で検索してみてください)が今も作り続けている。今も続くこの会社がオリジナル製品としてMMカートリッジも作っているのだがMG28シリーズは古き良き時代の物の化粧直しだと思っている。MG-50はこれとは違うのかなぁ???

 

 OEMを使う各メーカーは特定のメーカーからしか買わないという事ではなく、グランツ、KOWA、ナガオカ、オーディオテクニカ、シュアー、オルトフォンといったカートリッジ専業メーカーからその都度適したものを選んでいたようだ。

 オーディオテクニカは古いものではMMもあるようだが、VMがほとんど。交換針は探せば見つかると思うがOEM専用品もあるようなので、ノブ形状に注意。メーカーは今では世界一だそうだが古い物は既に供給していないので社外品主体で探すことになる。

 

 古いカートリッジでも交換針は古い物が案外と見つかるし、JICOに設定があったりする。けれど、聴いてみたいだけなら、聴ける針が付いた状態で入手して楽しみたい。

 

 忘備録

 トリオの古いオルトフォンは買っても良いけど音は。。。ネタにはなる。

 サンスイのMMは色々あって面白そうだが針なしは結局高くつく。

 オーディオブランド物はハードオフで高め、同じものなら家電ブランド。

 ヤマハやOTTOのシュアーからのOEM品は針が探しやすい。

 丸針で針圧2gくらいが一番気楽、付属品に上位モデルの音はない。

 結局このクラスは2-3個あれば充分、何回も同じことを繰り返すな!