パイオニアのレコードプレーヤーはたくさん売れている。付属のカートリッジが侮れない実力。
サントリパイは私がオーディオに興味を持つ前、サンスイ(ブランドだけ残っていたが消滅)のアンプ、トリオ(ケンウッドからJVCケンウッド)のチューナー、パイオニア(オーディオ部門はオンキョーに委譲、単品オーディオはオンキョーブランドのみ)のスピーカーが憧れだったころ御三家としてこう呼ばれたらしい。
あれ?レコードプレーヤーがないじゃん。パイオニアのカートリッジは?
当時はチューナーが主役でレコードは一部のブルジョアの好き物しか買えなかったという事らしい。
そんな時期はプレーヤーを作ってもカートリッジは「部品」として専業メーカーから購入(OEM)するのが当たり前でトリオとサンスイは知っている限り最後までOEMだった。最後までと書いてしまうのが寂しいねぇ、JVCケンウッドがレコードプレーヤー作る事はないだろう、あるかな?
ベルトドライブレコードプレーヤーの時代にパイオニアは完成品としての「プレーヤーシステム」をいくつも販売している。そして、ダイレクトドライブ時代に入ると早くから共振の少ないキャビネットやターンテーブルマット(今も人気のJP-501)などで良い音のプレーヤーを作る。FGサーボまでのパイオニアのプレーヤーはいくつも使ってきているけど、カートリッジネタじゃないので今回は自粛。
そのプレーヤー大量販売の時代にカートリッジも自社製(PC-11からだと思う)となり、中級機まで(高級機は主にカートリッジレス)に標準装備された。
PC-11、PC-110はいくつか聴いた。ハードオフにベルトドライブ機があふれていた頃、直して使っていたのでプレーヤーに付いてくる、部品取りを買うとまたついてくるしジャンクコーナーでも格安で売っていた。
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余談。
まだOEM時代のPC-30はマイクロのOEMといわれている。形状は違うし丸針だがVF-3200に、、、使えません!ヤフオクのカートリッジ大量出品者の説明では互換性ありだったが互換性は無し。音はVF-3200同様にクリアーだが丸針なので高域の伸びと音粒の細かさが無い。VF-3200/5と基本的に同じなのかもしれないが、VF-3200Eの繊細で伸びやかな音を期待するとがっかりする。
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PC-330はベルトドライブの最後の頃、この時期の物ではかなり気に入っている。純正針が良いのだろうけど、何しろ古いので良い物は少なく、社外針になっている物も多いが、がっかりするほどひどい音にはならない。
これはパイオニアに限らずだがミディアムコンプライアンスのMMで丸針なら社外品との差が少ない。という事で、針折れを格安で買って社外針で楽しむという手もある。
楕円針の付いた330Eも良かったのだか、最近はほとんど見かけない。
330Ⅱになるとハイコンプライアンス化、細いチタンカンチレバーとなる。テンションワイヤー付で解像度が上がり少ししっかりした印象の音になる。この時期がアナログ大普及期、他メーカーも同様なので同時期の同タイプは音のメーカー差が少ない。調べた価格は1976年に1万円ぽっきり。このスペックでこの価格はお買い得品。
問題は針、一般的な社外針はカンチレバーが純正よりもぶっとい物が多く、コンプライアンスも低いと思う。
カートリッジ大量出品の人から「針も330Ⅱです」の説明を信じて純正と思い込んで購入したら社外の針だった。こうなると単につまらない音になってしまい、むしろ330の方が音を楽しめる。
差し込みのスリーブ形状は330の角に対して330Ⅱは丸なのだが330の針が使える。おそらくボディは基本的に同じもの、音は330になる。社外丸針ならテンションワイヤー無しのこちらの方が良い音だと思う。
交換針情報
JICOに330/330Ⅱ用の丸/楕円針がラインナップされている。多分アルミのカンチレバーは太そうにみえるが、330用なら期待できる。
さらにオリジナル製品として無垢ダイヤやSAS針、ボロンカンチレバー、サファイアカンチレバーと多数ある。
テクニクス270系ほどではないがボディは豊富、針遊びしたい人には良いベースモデルの一つになった。
流用情報
上位機種550E用の針は330/330Ⅱに使える。
古い社外針は接合丸針でノブが赤いだけの物が多いと思う、楕円針の表記が無いなら割高なものだと感じるが、私が買ったものはカンチレバーが細く針周辺も綺麗。同じく古い社外330用針よりもこちらの方が音が良かった。
550Eの純正針は角柱無垢ダイヤの楕円、カンチレバーも細いチタンで針圧1.2gのハイコンプライアンス。針を見ただけで音が良さそう、実際330ボディで使っても本来の余韻の有るヴォーカルに、繊細な響きと高音域の伸びが加わり上質な音になる。
PC-200はクオーツロックになったころのフルオート中級機に付属していた。音はなんというか普通に良かった。調べると330Ⅱよりもローコンプライアンス化している。オート機への装着が多かったのでそういう方向なのかもしれないが、テンションワイヤー付で丸針、針圧2gとなると、、、平坦な音。楕円針があるようなので見つかればそちらの方が良いでしょう。
このころになるとマニュアル機は高級化してカートリッジレスが多かった、上位機種が400/600/800/1000とあったはずなんだが。。。とにかく見かけない。パイオニアのカートリッジ単品販売は成功しなかった、という事だろう。
このころは単品カートリッジは雑誌の記事をみても舶来信仰が強くMMならば豊富なラインアップの有るシュアーが強く、他にもADC、エラック、エンパイアなど外国勢が充実。
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追記
レコード会社とカートリッジの音に相関関係はあるのか?
ワーナーパイオニアは前身ふくめて1970-1990年の20年間らしい。ちょうどアナログ全盛期。当初は25%を渡辺プロダクションが出資とある。いくつかのレーベルを持ち、アトランティックもその中のひとつだったためレッドツェッペリンの日本販売権を持ちロックに強いイメージだったそうだ、が、その頃はまだ子供だった。
所属歌手を少し調べてみた。
デビュー組
小柳ルミ子(1971年)和田アキ子(1979年)中森明菜(1982)森高千里(1987)
色っぽい、ソウルフル、パワフル、色かわいい、、、統一感出せなかったけど、どの声もソニーのXL-15の明るさよりも少し落ち着いて艶のあるPC-330の方が合っている、と、こじつける(笑)
小林幸子が79年にコロムビアから移籍「思い出酒」で200万枚超え、メジャーになった。デンオンよりパイオニアの方が音が合った、、、という事じゃないな(笑)
矢沢永吉は既にメジャーだが80年にCBSソニーから移籍、大物の移籍があると週刊誌やテレビの芸能ニュースで騒がれるようになった時代ですね。
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最上位モデルの1000や1000Ⅱも聴いてみたいし80年ごろからはMCもあるがこちらもほとんど見ない、高級機は気軽には買えないし今後も縁がないかな。