デンオンは今はデノンと呼ぶらしいが、欧米の日本贔屓なオーディオ好きはきっとデンオンと得意そうに呼んでいるに違いない。
私は今もデンオン。デノンと呼ぶのはいまだに馴染めない。
日本コロンビアのハードウェア部門という認識だった、オーディオ黎明期からカートリッジを今もなお作り続けているレジェンド的企業。が、2001年から経営母体が変わってデノン、詳しくは調べてください。
MCカートリッジのイメージだが、付属用にMMカートリッジもある。DL-8が最初のカートリッジだった人も多いはず。
DL-8は使ったことがある。同時期の同様な物と同じく普通に良い音だった。
グランツのMG-2のOEMといわれているが定かでない。グランツはあまりにもあちこちに絡んでいるので、同じ物のOEM以外にも発展型や特定のメーカー仕様など元を同じくするカートリッジは多数あるはず。
のちのDL-108/DL-109はDL-103に似せた外観でデンオンブランドはこの形でないと売りにくかったのだろうけど、なんとなく痛々しい。
MCはいくつか使った。
今残っているのはDL-103とDL-301Ⅱ。
DL-103はあまりにも有名だが一応音質を。
音粒は粗目、余韻の少ない硬い音だがアームが合わないと良いところはでない。仕様では再生周波数範囲20-45KHzとあるが、聴感ではピラミッド型で高音域の伸びやエネルギー感はない、丸針ローコンプライアンスの典型的な音だが、MCで丸針というのは古い時代の物でその後の時代まで含めると少数派ではないかな?
生産時期によって変更点はあり音が違うという話もあるが、基本仕様は共通なので、私が聴いた物の音の本質はみな変わらず、中古ゆえの個体差と思っている。
DL-103Rは初めて聴いたときに「103のヴェールを剝いだような」クリアーな音でこれを残そうかと思ったのだが、このヴェールが剥がれた音に耳が慣れてしまう。基本を同じくするモデルなので帯域バランスや音粒が103と変わるものでもないのでオリジナルを残しておくことにした。103Rの方が高く売れるし(笑)
派生モデルのDL-103LC、DL-103Rを含めると5個は使った筈だがどんどん売ってしまって、ヤフオクで売った物はみな輸出業者様のお買い上げ。日本におけるオルトフォンSPUのような人気があるんだろうか。
DL-103と103Rは現在も発売中。
103を1個だけ残したが今は使っていない、基本ハイコンプライアンス好きで適したアームを現在使っていない、別のアームセットしたら使う、かな?
DL-103という「絶対王者」に変わるものがないままに、オルトフォンのMC20の成功に倣ったのか新世代シリーズの300系をスタート。
1979年のDL-303に始まり、上位の305、廉価版の301(発売時22,000円、低価格MCが増えた時期だった)と矢継ぎ早に発売する。ほどなく高剛性ボディの流れに乗ってアルミボディのDL-301Ⅱを販売する。
303、301、301Ⅱと聴いている。上位の305、301Ⅱベースで補完するように302/304と「後期モデル」のシリーズがあるが、どれも流通少なく縁がない。
皆楕円針で軽針圧、301よりも303の方が上質でフラットな静かな音がする。301Ⅱは301の正常進化版、CDを意識した音になる。DL-301Ⅱだけは今も販売継続中。
301Ⅱを残してある。
音は軽快、程よい余韻もあり元気なタイプ。メインシステムとは音の傾向が違うので、気分によってサブシステムで使っていた。こういう音の物は流通が多い為もあって案外と多く所有、最近はMMも使用頻度が高いので、どれを残そうかと思案中。
世界初の4本ネジで取り付け可能、というが、樹脂ボディだが4本ネジ取り付け可能なのはOTTOのMG-25の方が先。目的は301Ⅱの剛性向上という目的ではなく、取り付け位置をずらせないステレオセットでオーバーハングを多少なりとも合わせるため、だろうけど(笑)
1980年代後半からは厳しい時代を過ごしている。1987年、301ⅡをLC-OFC化したと思われる311というモデル、1990年代に入って限定生産でDL-S1を販売するが、商業的には成功していないと思う。
デンオンは日本国内を向き過ぎた企業だったという事だろう、世界のオルトフォン様みたいに定期的に記念碑的高級モデルを発売して荒稼ぎできたなら、もう少しラインナップを残せたように思うが、日本の会社はそういうところは下手だからねぇ。
コロムビアのアーティストを調べてみた。
と、演歌、歌謡曲の大御所が多数いる。
サブレーベルにはアニソンのレーベルもあり、ささきいさおの名前もあった。
DL-103はFMの音、ラジオから流れるヒット歌謡は耳になじむ。いつか石川さゆりを103で聴いてみよう。
J-POPやアイドル系では
他には70/80年代に良く聴いていたアーティストは少ない、だからあまり使わなくなってるのかも。