防振、制振、デッドニング、どこまでやるか。
少し前に改造したサブシステム用フルオートレコードプレーヤー、期待に応える活躍をしてる。
不人気機種で遊ぶ サンスイ FR-3060(3号機)少し改造 - 音遊び~オーディオのブログ
気になるところは有るにきまっているんだが、受け入れる。
カートリッジ交換する時に、レコードかけっぱなしでマニュアルモードでアームを上げて交換することが多いのだけれど、この時に、アームを戻す操作で手で触っただけで音がする。外すときにはアンプの入力を切り替えておくので、聴こえないから良いのだが、メインシステムのアームではこれはもっと小さな音だ。サブシステムのアームの制振が弱いという事で、触ったときの振動が音になって出てくる。
空間にある音の振動も拾っているという事で、こういうのは良くない事とされている。
が、ボリュームを上げた時に気になったハウリング対策はやって、聴いている時に気になることは無くなったのでもう気にしないことにしている。
以前入手したアームで、パイプ下側の中間よりも少し後ろの方に小さなブチルゴムを制振材として張り付けてある物があり、同型の物を持っているので聴き比べてみた。
んー、ちょっと音楽を聞いただけでは解らん、もっとヴォリュームをあげれば解り易いのかも?だが、アームの指かけで持ち上げて動かす時に拾う音のレベルは確かに小さい、これは解る。
でもこのブチルゴムは剥がした。理由は見た目。
実験として色々やって楽しむのも「あり」で、昔色々とやってみたし、今も安い物で楽しむときには見えないところに張り付けたりはしている。
オーディオとして使って音楽を楽しむときならば、音を聴き比べてあれこれ好みを探すときでも「なし」だ。たとえ音が良いと思っても見た目が好きじゃないのだから長くそのままでは使わないだろう、そもそも比較視聴しないのが正しい。
一応の基準として。
見えるところにベタベタと貼らない。
高級品には貼らない。貼らなくても、それなりに良いから。
スピーカーのキャビネットやバスレフポート、ネットワークの素子、アンプの筐体、プレーヤーのキャビネット、ヘッドシェル、、、、、
アンプやCDプレーヤーにインシュレーターを付け、さらに重しを載せる、RCAケーブルを宙ぶらりんにしないで固定するとか、ACコードを固定する等々、制振に関しては限りが無い。
そして必ず変化があるのがオーディオ。
最近はサブシステムで古い物を使ってこれが楽しいのでつらつらと考える。
私はゆるーく楽しみたい方なので、メインシステムでさえマアマアしっかりしたラックを使いしっかりした床にスピーカーを置く程度。レコードプレーヤーはラックの一番上なので、これは褒められた環境ではない。
振動(電気的特性の不正確な点も)を全部抑えこんだら、音が楽しくなくなるんじゃないかと思っている。
スピーカーの周波数特性を測るには無響室でなければ意味が無いのだがその中で聴く音はとても小さくなり家庭では考えられないレベルまでヴォリュームをあげてもうるさくないらしい。反射音がゼロに近いというのは余韻も響きもすべてユニットから出てくるものしかないという事なので、こういうところではライブ録音の音源でないとつまらないだろうな。
オーディオを始めた頃は「響きの良い材質のエンクロージャー」と宣伝文句に使われ共鳴することを前提として音を造りこんだスピーカーが特に海外製品に多くあり、日本のメーカーの物はそういうところがマダマダなんだ、などと評論家に書かれていたりした。最近は剛性とか共振を防ぐとかが主流だと思うけど、共振がゼロの物なんて存在しない。
普段聴く音というのは反射音も含め聴いているわけで、そう考えると振動で拾ってしまう音も、空気を伝わってくるのか電気を伝わってくるのかの違いはあるが反射音みたいな物、どちらも逃れようがない。この音の「滲み」が個性を生んでいるとも思える。
特性を極めるには不要だが、オーディオにはスパイスとして必要な物なのかもしれない。