音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

 久しぶりにMM系トップクラスを聴く ADC TRX-2 と ELAC STS555E ESG795E

 正月休み中に聴いたカートリッジネタを。

 

 休み中にメインシステムのプリアンプを換えたので、カートリッジをいくつか聴いてみた。

 

 最近はサブシステムで安いMMもMCも楽しんでいるせいか、改めて聴くとメインシステムで聴くカートリッジは皆すごく良い音に聴こえてしまう。

 良い物のありがたみを素直に実感できて良い(笑)

 

 まずは ELAC

 

 メーカーの蘊蓄のようなことは以前カートリッジネタとして書いたので詳細は省略。

ELAC 555E STS〇55系 ESG79〇系 カートリッジの話 その15 - 音遊び~オーディオのブログ

 

 ストレートアームに取り付けた795E

 最初に795Eを。

 MMの基本形状ともいえる高級感無しのそっけない外観だが音は気に入っていて、テクニクス205C2Lと並んでメインシステム用MMのトップクラスとしてストレートアームについている。

 本来ならばトランスのバイパススイッチを通さないでプリアンプに直結するべきだけど、色々と聴きたいので気にしない!考えない!

 このクラスになると音の魅力はMM/MCの垣根はないと思う。これまでの印象では低音は量感があるがやや甘く立ち上がりの鋭いイメージではなかった。

 今回はなぜか切れが良い。試聴したときは気温が低め(15℃ほど)だったので、トーンアームのダンピングラバーが少し硬くなるだろう。そして針圧は適正よりも0.1g増し。思うにこの辺りが原因。

 使用中のストレートアームはカートリッジ重量やコンプライアンスは適合しているけれどダンピングの調整はできない。現在保管中のオーディオクラフトAC-3000MCのオイルダンプで好みに合わせるまでは低音は我慢かなと思っていたが、、、

 

 環境での音の差が良くわかるのは高音質だからで魅力的な音を期待できる。

 

 けれど、サブシステムの常用カートリッジは環境の影響はない、ではなく気にならない程度にしか変化しない、元々ソコソコの音なんで(笑)その中に「ソコソコ」高いレベルで好みの音の物があって充分に楽しめるのがサブシステムの良いところ。

 

 面白いので1世代前の555Eを引っ張り出す。

 455Eが人気が有るようだけれど、私の好みでは555E。

 こちらはシェルに付いているのでアームをS字パイプに変えて針圧調整。795E同様に適正針圧+0.1gで試聴。

 相変わらずの静かで繊細な伸びの良い音でヴォーカルが優しい余韻で心地よい。やはりこれまでで一番低音が良かった。

 

 そしてADC TRX-2。

 ADCは気に入っているのだが、今回のTRX-2は以前記事を書いた後で偶然見つけて入手した物。

ADC XLM ZLM MC1.5 カートリッジの話 その18 - 音遊び~オーディオのブログ

 

TRX-2 以前のADCとは全く違う外観

 TRXシリーズは日本メーカーのOEMらしい。発電方式はIM型。

 「アナログ」という雑誌でダイヤモンドカンチレバーと空芯コイルを取り上げた記事を読んで、宝石系カンチレバーの音を聴いてみたくなったので引っ張り出した。

 これはサファイアチューブカンチレバーとなってるけどこの細さの石のチューブ?を作ってダイヤモンドのチップを付ける、って凄い事だと思う。

 現在ではダイヤモンドでカンチレバーと針先を一体加工できるようになったそうだ。やってることも価格も凄すぎて実感無し、今後聴くことがあるだろうか?

 

 TRX-2、同じくS字アームに取り付けて比較したMMのテクニクス205C3(ボロンカンチレバー、シェル一体型しか持っていないのが残念)と比べても低音の切れが良く、中高音もクリアー。音粒が細かく解像度が高いけれど余韻もあるので硬くは感じない、静かでスピード感と透明感のある綺麗な音がする。
 針先形状はラインコンタクト系だと思うが高音が強く主張することは無く綺麗に伸びた良い音だ。

 

 この音はサファイアカンチレバーの恩恵かな?オルトフォンVMS30、ADCの他のIM型、マイクロの3200E、みな低音はMMに比べると量感の有るフワッとした印象なのでIM型の特徴だと思っていた。

 TRX-1/2/3でアルミ/サファイア/ベリリウムカンチレバーの違いと針先はTRX-1だけがVITAL Ⅱ、2/3はVITAL Ⅲ 耳慣れない呼び名だけどラインコンタクト系だろう。基本仕様は針圧もコンプライアンスも共通、針圧1.0-1.4gとハイコンプライアンスベリリウム好きなのでTRX-3が欲しかったのだが、、、当時はサファイアよりもベリリウムの方が高価だったというのが面白い。テクニクスではチタンも気に入っているのでTRX-1も聴いてみたい。

 

 よし、TRX-2はストレートアームに格上げしよう!

 

 カートリッジ対抗、適合機材争奪戦になっちゃいました。