MMでは多数派のシュアーよりもこちらを好む人もいる、私もELACの方が好き。
最初に知った頃はエレクトロアコースティックのカートリッジがエラック、で、そのうちエラックになり、現在はいつの間にかスピーカーメーカーになっている。
STS55シリーズは1975年ごろからの販売だったのでちょうどアナログ全盛期、上位機種は中学生には高くて買えないから購入対象とはならず、雑誌で知るだけ。
当時評論家が褒めたので455Eは特に売れたのだろう、中古の流通も多いし針もオリジナルが残っている物が多いように思う。社外針もあるみたいだが、455Eは無垢ダイヤ針でハイコンプライアンスなので本来の音を聴きたいなら純正針で。
STSシリーズは100の位の数字が大きくなるにつれて高価、上位機種はかなりのハイコンプライアンスなのでそれなりのトーンアームが必要になる。スペックを見ると気軽に使えるのは355Eまでかな。
155-17は丸針の低価格モデル。丸針の廉価モデルなので特筆するような高音質ではない、レンジの狭いややおとなしいタイプの音だが厚みはある、同時期の国産の廉価モデルにも多い典型的なかまぼこ型の帯域バランスで聴きやすい。出力が10mVもある。
455Eは音が厚めでエネルギー感もあり帯域バランスはややかまぼこに聴こえる、高域は伸びていて綺麗な音だが音の厚さに対してやや細め、ヴォーカルの余韻もある。低音は切れは良くないが柔らかく量感がある。同クラスのシュアーのV-15Ⅲとよく比較されているが、まったく違う音なので好き嫌いは綺麗に別れると思う。針圧0.75-1.0gと高感度のアームなら使える。出力5.5mVと高出力。
555Eはフラット、低音はややブーミーかなと思うが押し出しが強くないのでそう感じるだけで455E同様と思う、余韻が綺麗で帯域バランスが良く音色は静かでクリアー、音粒も小さい。多分445Eも同様に音粒は小さいのだが元気さに埋もれている、私の好みはこちらの静かで綺麗な音の方。針圧1g以下、今のアームで対応できているがさらに伸びしろはあるかも?こちらも出力5mVと大き目。
555Eの上位に4チャンネル対応の655-D4というのがある。
ボディも作り分けしていると仮定して仕様を見比べると155/255、355/455、555/655が同じボディではないかと思っている。4チャンネルをやるわけではないが、シバタ針の655は機会があれば聴いてみたい。
ESG700系は次世代モデル、調べたら1979年発売とある。このシリーズの出力が大きく、791/792では15mVもあり、上位モデルもみな10mV。ドイツ特有の市場からの要求でもあったのだろうか?
中古市場ではあまり見かけない、販売戦略で失敗したのか?
使ってみたいので気長に探して795Eを入手。まだまだ実力を引き出したとは言えない状態。ADCなみに超ハイコンプライアンスで針圧0.75g、今のアームでも許容範囲ではあるのだが、、、
555E同様に力強い音ではなく綺麗で伸びやか、ヴォーカルの音がクリアーで程よい余韻で好き。音出しするととんでもなく綺麗な中高音が出たりするが低音がブワッとしていて今一つ。オイルダンプのアームが復活したらダンピングで程よいところを見つけられそうに思っているので今は予備軍として待機中。
テンションワイヤー無し???だと思う。
両シリーズ共に交換針がJICOから各種出ているのは心強い、海外でも需要はあるのだろう、針先の仕様もオリジナルに準じている。
私はJICO針は元の音より元気な音になる印象を持っているのと価格からすると無垢ダイヤではなさそうなので、455E用のオリジナル針を購入し保管している。本当は555Eのオリジナル針が欲しいのだが、、、
どれも最近あまり使っていないが、アームを換えたらまた使いこなしに挑戦しよう。