マイクロのカートリッジは秀作。
ターンテーブル、トーンアーム、カートリッジとレコード関連商品の専業メーカーで、私がオーディオに興味を持ち始めた頃は矢継ぎ早に新製品が出てくる大手メーカーの存在感の方が大きく、小さなメーカーというイメージだったが、雑誌を読んでいると新製品が必ず大手メーカーに交じって評価される。2-3年でイメージは大きく変わった、が、1980年ごろにプレーヤー入れ替え時、比較対象で最後まで悩んだけれど結局BL-91は買わなかった。こちらを買っていたら良かったとも買わなくて良かったとも思う。
実際に使っているカートリッジはそれ以前、まだレコードプレーヤーに付属していた頃のモデル、概ね1975年頃までのベルトドライブ機の物。
MMとVF(MI型の仲間)の2本立て。実際のところは日本よりも北米市場等海外で評価の高かったマイクロが、輸出できるようにシュアーのMM特許に触れないVF型をアメリカで特許取得、VF-3200には本体に特許番号が入っている。
まずはMM
M-2100/5/6/e
ベルトドライブの普及機(価格的には中級機か?)の純正装着。トリオにOEMもされている。
聴いたのは5とe。6が標準装着に多くぶっとい音がするらしいがまだ巡り合っていない。手持ちの5の針は無垢ダイヤの物、スペアで確保した社外針は接合丸針だった。オリジナル初期は無垢ダイヤなのだろう、70年代初頭は贅沢だ。
音はこの手の物に多い元気な厚みはあるが、野太いだけの音ではなく他社モデルよりも透明感がある、明るめの気持ち良い音だ。
eは見た目にボロイ針が付いていたので動作確認したら妙に繊細な音がして、なんだこれ?と思ってよく見たら楕円針だった、今では珍品の部類、ボロイのが残念。楕円針贔屓なのだが、M-2100は丸針の方が好き、このクラスで楕円針つけるなら他メーカーのいくつかの物の方がバランスに優れる。
プレーヤーともども今でも海外で人気があるらしくM-2100用交換針も外国製の知らないブランドの社外針がある。
VF-3200/5/e
上位機種用の標準装着品。
MR-411用は5。クリアーなのだが少々音が細く貧弱に聴こえてしまうので、丸針なら2100の方が楽しめる音。
MR-611の標準装着、eならば音粒が細かく透明感のある音に綺麗な余韻、高音の美しさとこのクラス最高の、、、とはならず、残念ながら低音は今一つ好みではない、量感はあるけれど解像度の甘い低音、重低音を大音量でというならばボワンボワンでお勧めできない。カートリッジの音を音楽のジャンルで分けるのは好きではないが、ヴォーカルはもちろんヴァイオリンやフルートのクリアーで艶やかな音は素敵だ。
グレースの8Eを上回る透明感はこれしか知らないが、低音は8Eの方がまとまりがある。
付属品は5かeだが、4チャンネル対応は3500、ボディは金属部分の色が金色ではないだけで3200と共通だろう。
MR-611では4チャンネル対応のプレートが貼られている物があり、3500Fが装着されたのではないかと思う。411の後継機種MR-422では3500/5が標準装着してありF針で4チャンネル対応。
Fを偶然入手。基本的な音の傾向は変わらないが高音域の煌びやかさが増し華やかな音。シバタ針って変な癖が出ている場合も多いと思っているがこれは良いと思う。交換針が無いのが残念。
社外針は海外には存在するようだが見たことがあるのは丸針ばかり。
JICOは今見てみたら3100用は楕円もある。けど、売れるのか?3200の方が市場には多いのでは?
マイクロでは1980年頃までカートリッジは販売していたようだが、その後はプレーヤー本体に専念していったのだろう。レコードの時代後にはひっそりとメーカーが消滅、寂しいねぇ、残念です。
80年代にはカートリッジ付属のプレーヤーは下位モデルだけだったし、雑誌のカートリッジ単体での視聴記事も数が少ない為か印象が残っていない。今見るとLM-70Wなんて大手メーカーを超えるスペックで、大好きなベリリウムカンチレバー付いてるから一度は聴いてみたいけど、なぜかローコンプライアンスなので見つけても購入まで頑張ってない。
MCも特許取得とあり、オリジナル品の様だ。こちらも聴いてみたいが見たことない。
忘備録
3200、3500の純正針は見つけたら買っておこう。
2100、同じく純正針は買っておこう。