音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

シュアーのカートリッジをまとめて聴いてみる

 シュアーのカートリッジ、今手持ちの物を聴き比べてみた。

 

 今回聴き比べたのは

V15ⅢにJICO楕円針

M75EDⅡのボディ2個と純正針、社外ラインコンタクト針、M75BⅡ用純正針

M75HE-JⅡと純正針

 

 過去に聴いたことがあるのはM44G、M75-6、M91ED、M95ED、ME75ED

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V15ⅢとM75が3個。比較試聴ということでシェルは同じものにしたけどリードは統一してないから無意味だったか?

 

 アメリカのカートリッジといえばシュアー、エンパイア、ピッカリング/スタントン連合、そしてADCかな。

 シュアーは定番として持っているのだけれど、未だにメインシステムの常用になったことがない。

 ADCは気に入っているモデルがあるのでマアマアに使っている。

 

 シュアーではV15シリーズが有名で、特にタイプⅢの愛用者が多いみたいだ。

 が、しかし1980年頃に秋葉原で試聴したときも、最近になって聴いた時もピンとこない、何回買って売ってを繰り返したのか?

 おそらくは私がどうにも気に入らないところに魅力を感じるのだと思う。事実友人はこの音も嫌いではないと言っていた。

 

 私の場合はヤマハのプレーヤーの古いのをお気楽プレーヤーとして使っていた時の標準装着のM75シリーズがちょうどいい感じ。

 これでなければ駄目というものではなくて、何も気にしないでレコードをかける時はこういう音が良い。

 

 独断と偏見の試聴結果。

 

 V-15Ⅲはドンシャリ感が強く、ややうるさく感じる。ジャズ向きといわれているけれど、ジャズボーカル向きではない。そして日本語の歌には向かない。

 主張のある音で安価なレコードプレーヤーでもそれなりに個性が出るが、良いところは発揮できないと思う、中級機以上が必要でしょう。

 これをリファレンスにした試聴記事を昔よく読んだけれど、リファレンスというには音に癖がありすぎる。その癖を前提に「V15type3と比較して、これはこうですよ」といわれて、別のカートリッジ音を推測するのはV-15Ⅲのオーナーでないと難しいのではないか。

 今回のは後期ボディに社外針、初期ボディは音が違うそうだけれど、大差ないと思うので割高な金額を投じてまで聴きたいとは思えない。

 

 M75系、過去にはM75BⅡ、M75-6(ボディのみ)など所有していたけれど、正直なところボディに特に差はないだろう。初期のM75-6は出力が大きい分元気に感じるけれど、音質が特に良いという印象ではない。

 

 MMは針を変えると磁気回路以外のコンプライアンスや針先形状が変わってしまうので実質別物。グレースF8は針を交換すれば楽しめますと宣伝していたが、シュアーも針の互換性があるものは同様に楽しめる。

 

 今、お気楽カートリッジとして使っているのはM75HEJ。ボーカルが後ろに引っ込みすぎることもなく、高音域も伸びやかな感じ、低音域は締まりがあるとは言えないが量感はある。情報量はマアマア多め。針圧が2gというのもお気軽用途の古いフルオートプレーヤーで使いやすい・

 V-15Ⅲと比べると低音高音のエネルギー感は劣るけれど、私の好みはこっちだ。

 

 社外ラインコンタクト針はHEJと針圧指定が同じ2gなのだが、同じボディで差し替えてみても音の明確な差はない、わずかにニュアンスが違う程度。

 これはこれで嬉しいことで、出番の多いお気楽カートリッジの交換針を持っている、ということ。他にも多数カートリッジは持っているので、手元が滑って折らない限り、一生使えるだろう。

 

 予想外だったのは楕円針のM75EDⅡ。このところラインコンタクトばかり使っていて眠らせていたのだが、繊細さで劣る感じはなく高音域も強調しすぎることもなくボーカル物を聴く限りでは「ラインコンタクトがどうしたの?」という良い音です。

 EDⅡはハイコンプライアンスモデルで針圧は1gで試聴、アームは超ハイコンプライアンスまで対応する物なのでマッチングが良いのか、ラインコンタクトとの差はさほど感じない。

 

 丸針をEDⅡのボディに差してみる、針圧は針指定の2g。繊細さが減るけれど中音域が厚く、聴きやすいのでBGMならこれでもいいかな。

 

 ここからは記憶。

 M44Gはジャズ向きということでまだ新品購入できる頃に使ってたが全然楽しめなかった。音の粒が大きいといえばいいのかな、元気な音なんだけれど繊細感が足りない、音楽に拠っては違う印象の物になってしまう。

 鳴りっぷりの良い元気な音なので、解像度や低音の立ち上がり等を気にせずに楽しむには丈夫で良いと思う。けれど、丸針で気に入っている国産品があるので手放してしまった。

 

 M91EDはM75EDⅡと大きな差を感じないので手放した、同じような物なら残しておいても良いけれど、M75系よりも売却価格が高かったから。

  神経質すぎずちょうど良い、良い音、です。

 

 M95EDは少し新しい音でクリアーになり繊細な音も出てきて魅力はあったけれど、この方向ならもっと繊細で解像度の高い、お気に入りの別のMMカートリッジを持っているのでこちらも手放した。

 この方向でならV-15でもマーク4になるのかな?聴いてみたいとは思うけれど、「お試し」には中古価格が高すぎるので今後も聴かないままだろう。

 

 ME75EDは当初M75EDだと思っていた。よく見たらMEで、人気があるので再発売した再生産品?ということらしい。所有期間は短かった。あまりヤフオクハードオフでも見かけないので市場に多くは出回っていないのではないかと思う、特に良い音の印象はないが、一番気に入っている楕円針なので、悪い印象はない。

 

 

 以前より自分にとってのベストカートリッジは決まっていて、部分的に良いと思うものは有っても総合的にそれに変わるものは見つかっていない。

 それくらい良いと思っている、が、若いころからの所有なので、深~く「思い出バイアス」がかかっているからというのもある(笑)

 

 脇役として使うカートリッジは好みではない癖があってもいいのだが、今回こうして聴いてみると、今の機材と使い方ではシュアーはM75があればいい。

 適当なボディを1つ。針はいくつかあっても良いので、丸針のM75BⅡ、それと針圧1gの楕円針か針圧2gのラインコンタクト針。

 

 これで充分。

 

 ついつい増えるカートリッジ、どうせ使い切れないのだから増やさないように注意しなければ。