音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

トリオのプリメインアンプ KA-9300

トリオのプリメインは初めてだ。

 

  以前セパレートアンプのL-05MやL-07CⅡを使ったことがあり悪い印象はない、特にL-07CⅡは好印象、ヤマハのC-2系よりも力強くカチッとした音が好みだった。

 

 トリオといえばチューナー、だがそちらは縁がなく、なぜかアンプには縁がある。

 

 KA-9300、動作品をジャンクコーナーで見つけて、 どうせ買うなら最高級機のKA-9900だよなと思いつつ眺めているとスペックは大差ないし、フェイスパネルの仕上げはこちらの方が高級そう。総アルミのノブが高級だな、、、欲しくなってきて、一緒に行った友人の無責任な「買った方が良いよ!」の後押しもあり綺麗で音出しも問題ないので、つい買ってしまった。。。

 

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TRIO KA-9300

 まじまじと観察すると中が綺麗。コンデンサーはショップで覗き込んだ範囲では色で判断する限り一部交換されているようだが、どうにも気に入らないカナブン色の物ではないし音に影響ない基板らしい、で、あって欲しい・・・。

 パワトラは購入前に品番を調べてオリジナルであることを確認した。ここを変えてあったら購入しなかったな。

 

 中古アンプは持ち帰ったら天板を開けて埃を掃除するのが「儀式」なのだがそのまま使い始める。数日して天板を修理。あばたと歪みをそれなりに。

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錆の上から塗ってある、こういうのはジャンクっぽく見えて嫌。

 天板は塗りなおしてあるけれど仕上がりは今一つでゆがみも有ったので気にならない程度には修理した。

 ラックに入れてしまえは見えなくなって気にならないところだけど、オーディオ機器は所有欲を満足するために美観も重要なのです。

 

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天板を塗りなおす為に取外し。コンデンサーを一部交換してあるだけで変にいじられていない。直し方が好印象。

 どうやらコンデンサー交換などでいじられているのは上の写真で電源用のでかいコンデンサー より前に2枚縦にある基盤の手前側、この1枚だけだ。

 

 スイッチの使い方に一癖あるけれど、慣れると問題ない。

 ボリュームは気に入っている。アッテネーター型で能率の良いスピーカーだと少し回しただけで音が大きくなり微調整がしにくいのだけれど、別に設けられたスイッチで-15dbにして使えは小音量時の微調整もやりやすい。ボリュームではないので単純に抵抗で落としているだけだと思う、スイッチ切り替えで音質劣化は感じない。

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アッテネーター。すぐ右上で-15/-30db絞れば小音量時の調整もやりやすい

 

 スピーカーは3系統つなげるが、最もダンピングファクターが大きいダイレクトポジションは、A/Bに切り替えても音が出っぱなしなので、実質2系統、または高音質を求めて1系統で使うことになる。

 サブシステムにはいろいろなスピーカーをつないで遊ぶのでダイレクトの配線は一番好みのスピーカーにつないであるがすぐに繋ぎ変えられるように引っ張り出しておき、残る2系統を常用スピーカーにつなぎ、A/B使用時はダイレクトは外して使用、修理したスピーカーをテストするとき等はダイレクトに繋ぎかえている。

 

 出力やダンピングファクター等、性能面ではこの時期のトップクラスで高級品ならではの実力があるが、MCヘッドアンプがないのが唯一残念かな、カートリッジ遊びをしやすいようにバイパス可能なMCトランスをつないだ。

 音質は硬質でクリアー。力強く厚みのある中低音に比べると高音域はクリアーだがやや線が細いか?聴感では帯域バランスはやや中低域寄りに聴こえ、今耳が慣れている音に比べてそう聴こえるだけにも思うし、以前所有したL-07CⅡも同じ印象だったのでこれがトリオの音ということなのかもしれない。

 いずれにせよ組み合わせるスピーカーとのマッチングに困るような変な色付けはなく、癖のない良い音だと思う。

 

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 天板修理後、再設置前。フェイスパネルのアルミの輝きが素敵だ。

 ボリュームノブをはじめとするツマミの輝きは、派手さはあるが押し出しの強いギラギラした下品な物にはなっておらず、「良質な機械加工部品」を静かに主張して何とも言えない良い雰囲気だ。

 コストがかかってるなぁと思う。これ以降はブラックやシャンパンゴールドなど塗装や樹脂製部品に変わっていく、シルバーフェイスの時代の終わりを飾る最高峰の仕上げだ。この機種は発売時にはトリオの最高級機で1980年前後というのは今よりもずっとオーディオ製品の社会的地位が高かった、とはいえプリメインアンプのこういう部品には、小さなメーカーでないとここまでお金をかけなかったんじゃないかな。

 

 直前まで使っていたテクニクスのSU-V10も気に入っていて、どちらか1台を選ぶなら音の好みではテクニクスになるのだが、音質で大きく劣るということでなく同レベルのものと感じる。

 トリオの方が定価が安いがMC対応していないことを考えると実質同クラスのアンプと思っていいだろう。ツマミの質感などはトリオの方が高く、テクニクスV10はウッドケースが良い雰囲気だ。

 

 その前はテクニクスのSU-A900という1990年頃のプリメインを使っていてリモコン付きでとても便利。しかしバブル以降の製品で中級機とはいえ安っぽさは否めないし、スペックは良くとも実際に聞く音は古い高級機の方に軍配が上がる。

 

 テクニクスのSU-V10にはMCヘッドアンプもあって使い勝手がよく音も好みなのでそのうち元に戻そうと思うが、今はKA-9300を楽しみ、今後も当分は手元にあるだろう。