音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

グランツ ナガオカ Apis 中電 JICO カートリッジの話 その13

 レコード針専業メーカー製のカートリッジは案外と良いのです。

 

 グランツ(GLANZ)

 

 元々OEM専業だったらしい、後に自社ブランドで販売、海外の方が知名度が高いとおもう。磁気回路のレベルが高い、という評価。

 2003年に解散、現在は元開発人の方がブランドを引き継いで復活。素晴らしい!

 色々と検索していたら海外のサイトでグランツのMCを使っていてスペアが欲しいのだが、どこかにないだろうかという書き込みに、後継モデルのバルク品新品が日本のヤフオクで売ってるぞ!という書き込みを見つけた。その時に検索したら本当に売っていた、今はもうないのですよ、買っておけば良かったなぁと少し後悔。

 色々なメーカーに製品をOEMしていた。私はグランツの作ったそのものだけでなく、それらのモデルをベースに各メーカーが仕様を決めて別モデルとしてOEM生産したものも多いんじゃないかと思う。

 裏付けなしの情報は色々あってビクターのZ-1のベースが、、、とか、パイオニアの、、、とか、まあキリがない。

 

 気に入っている物を一つだけ紹介。

 MG-30

 1972-3年ごろから国内各社にOEM、実はテクニクス270並に生産してるのではないかと思う。大多数は2チャンネル丸針だけれど、シバタ針を付けてCD-4対応できる優れもの。

 2チャンネル丸針は「これが日本のステレオ」の音。音質はビクターのところで。

 ビクターのMD-1016はお気に入りなのだが、色々と調べたらCD-4対応できるカートリッジとして、東芝、日立、三洋、三菱、シャープ、オンキョー、トリオへとOEMされている。

 いやらしいなと思うのはみな同じ形ではない事、一見別のカートリッジに見える。本体側の樹脂形状と針のノブの形状が合わないと取り付けできない。形状を換えればオリジナル製品になるというわけです。

 詳しくは 「グランツ MG-30」で検索するとカートリッジマニアの方のURLが見つかるので深~く堀り下げたい方はそちらをどうぞ。

 

 すべての可否は試していないが、トリオ用の社外針はビクターに取り付け出来た。

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ビクターMD-1016にトリオ用の針

 東芝のC-260Mという物はつい最近ヤフオクで新品が出品されていた、もうオーレックスブランドが無くなってからのレコードプレーヤーに付いていたらしい。DJカートリッジとして別名でも売られている、解散前の生産品だと思うので2003年以前、とはいえ針も新品なのでお買い得。製品寿命30年、凄いですねぇ。

 古い時代の物なので中古相場は安い。針は古い社外品で結構入手できるし、ビクター用はJICOに4チャンネル用も設定があった。当分使えそうです。

 

 ナガオカ

 

 社外針では日本一だったのではなかろうか?

 昔はリボン型というMC型の一種を作っていた、MP型(IM型の一種)というMM系カートリッジを今でも販売している。MP-150は人気機種、アマゾンのコメントを見るとアメリカのファンが絶賛している。特許逃れとはいえ、ADCやエンパイアなどアメリカ人は案外とIM型が好きなのかも?

 

 社外交換針は以前レコード店の店頭にずらりと箱が並んでいたが、現在URLを見るとラインナップはとても少ない。針の生産は続けているので自社ブランドでの販売よりもOEMの方を主体にしているんじゃないかと思っている。

 新しめの交換針だと適正針圧が製品ラベルに印字されていて、仕様をきちんと作りこんでいるという事だろう、好ましい。互換性のある別仕様の針を付けるときには便利だし、そもそも純正と違うとしても「違う数値」を書いておいてくれれば安心して使えるのだから。

 裏付けはないが、テクニクスの270用の交換針はナガオカが製造していた、とか、その頃にOEMしていたカートリッジが270になったとか、、、今となっては都市伝説と思った方が良いと思うがこうネタが好きな人が色々と書いているのを読むのは好き。

 

 Apis

 

 昔はKOWAブランド、ブランド変更でApis。主に交換針を売っていた。

 KOWAの時代にはPH針というラインコンタクト針を早くから社外品として比較的安価で売っていて好きな社外針のひとつ。

 カートリッジは安価なMM型が主流、自社品はエクセルブランド、後にApisブランド。エクセルES-70をサンヨーOTTOへOEM、所有品があったので詳しくは「その11」のネタを。

 数年前まで自社直販サイトもありシュアーの針を数種供給していたのだが、レコード針事業から撤退し、今はURLも消えた。無くなる前に買っておけば良かった、在庫はみな廃棄処分されたと思う。シュアーのカートリッジ撤退と同時期なので色々と関係があったんじゃないかと推測。

 

 中電

 

 今も存在する。OEM専業だったが近年自社ブラントで販売開始。

 カートリッジはMM2機種、DJ用とオーディオ用。品番はMG- ではじまる、OTTOやグランツと同じなのだが、、、関連は不明。元三洋電機関連会社で、セラミックカートリッジでは日本一?

 「中電 カートリッジ」で検索するとでてきます。

 

 JICO

 昔はSWINGブランドで交換針を出してました。現在は社外針のトップメーカーでしょう。Apisが無くなってからシュアーの社外針(以前はなかったような?)に力を入れていてラインナップ充実。

 M44のレプリカでカートリッジ生産も始めている。

 嬉しい事なのだが、最近URL見てたらカンチレバーの形状をよりオリジナルに近づけて、、、、といったアナウンスを。まあ、正直だなと思うけど今までは?レプリカだからこんなもんで、って作ってたの?

 社外針がオリジナルではない事は解ってるけど、製品評価しないで売っていたのかなと思ってしまう。交換針の方は各メーカーの仕様に合わせているんだろうか?

 これまで買った交換針はみなオリジナルよりも元気にビンビン音がでるけど、好みがその方向ではないので、、、

 コンプライアンスとか適正針圧などの仕様は公開してくれると選択しやすいんだけどねぇ。

 

 1970年代に日本の音が形作られていったと考えると、一体型ホームステレオのエクセルES-70、ステレオのグランツMG-30、ハイファイのグレースF-8、FMのDL-103、学校の音楽室のテクニクスEPC-270C、って感じでしょうか?