音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

仕様から読み取る中古針。カートリッジの話、その0

 ハイコンプライアンス好きだ。

 でも使いやすいのはミディアムコンプライアンスだ。

 

 カートリッジはどんどん増える。

 聴きたくて買ったのにお気に入り以外は聴かなくなる。

 

 買うのはもっぱら1970年代から1990年ごろまでで、1980年前後の物に集中している。聴いた事があって自分で使いたいから欲しい物というのは、すでに持っているのでほとんどが「初めて」聴く音になる。

 なぜ聴きたくなるのか?欲しくなるのか?

 

 私の場合、きっかけは昔の評論家の評価を読んで、とか、ブログやホームページで誰かが書いていた「良い音」という文字だったりする。

 興味を持ってネットで検索しているうちに「ほしい」「いらない」に分かれていく。

 ネットは便利なものでメーカーと型番があれば多くの物の仕様を見つけられる。発電方式、出力電圧、適正針圧、再生周波数帯域、チャンネルセパレーション、内部インピーダンス、負荷抵抗、針先形状、、、、、等々

 仕様を調べて、好みから離れた物は安価でなければ買わない。

 仕様の意味するところはカートリッジ設計者ではない自分には解っていない事も多いと思う。それなりに理解しているつもりでも上手に文章にできる自信がない。

 なので、難しいことは他のたくさんの人が詳しく説明しているので割愛、ざっくりいきます。

 

 重視する仕様は以下の3つ。

 

 コンプライアンス(針先の動きやすさ)

 

  15×10-6cm/dyne 

 の様に表記される。

 実感がなく、あてにならない基準で最近(2021年)では公開していな製品も多いし、そもそも計測基準は統一されていないようだ。

 同じメーカーの同じ時期(時期によって計測条件が変わったりしてるらしい)であれば、モデルごとに比較して判断基準にはなる。メーカーによって水平感度だとか、動的だとか、基準が違うことがあるので違うメーカーの物を単純に比較するのは少々危険。

 そういう前提で、数字が大きいほどハイコンプライアンス。じゃあどこからがローでどこからがハイなのか???

 私なりの基準ではMMカートリッジで10くらいまでがロー、10-20がミディアム、20超えるとハイ。

 MCの場合は8以下がロー、15までがミディアム、15を超えればハイ。

 仕様が表記されていなければ針圧から推測する。推奨針圧1.5g以下ならハイ、推奨針圧が2g以下ならミディアム、それ以上ならロー。1.0g前後のウルトラハイの物もある。

 時代的には1970年代以降、ハイコンプライアンス化が進み1970年代後半にはMCもハイコンプライアンス化。新製品ラッシュで新興メーカーがどんどん出てきた、この1975-1985年の10年間はビックリするほど多くのカートリッジがある。

 その後CDが主流になる1985年以降は新製品はほとんどなくなり生産終了ラッシュ、1990年代オーディオの衰退と共にDJ用以外の選択肢は減りトーンアームも皆無に近い状況に、2000年以降アナログが徐々に復活するにしたがって新たなブランドも出てくるが、以前のようには大量に売れないので価格は往時のような現実的なものではなく高価なものが多く感じる。ざっと見渡したところ多くがミディアムからローコンプライアンス

 

 針先形状

 

 丸、楕円、ラインコンタクト系

 この3つの中で細かく分かれる。

 丸だと太さ(大きさ)の違い、接合針かどうか。

 楕円の場合は縦横比の違い、接合針かどうか。

 ラインコンタクトはメーカーに拠って特許逃れで呼び方が変わるし、新形状になるたびに新しい名前を付けるメーカーもあるのでややこしいが、要は丸と楕円以外の特殊形状、これの接合針というのは記憶にないけど、あるのか?

 

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 2022.11.3 追記

 接合針のラインコンタクト、あります。

 ビクターのMD-1016系4チャンネル用は当初無垢ダイヤだったのが接合針になって品番変更し価格が安くなった。

 気に入って使っていたシュアー用の社外品、KOWAのPH針も接合ラインコンタクトでした。灯台下暗し。

 その後のKOWAがブランド変更したAPISのカートリッジに安価なPH針モデルがあったのだが、これも同様だと思う。丸針の物は所有しているけれど、PH針の物も聴いてみたい。

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 自重

 

 カートリッジ単体での重量。

 実際に使うにはシェルやリード線の重量も考慮、使用しているアームが対応できるかどうか。実力を引き出すにはできるだけサブウエイトなどは使いたくないわけです。

 1980年ごろまでは5g-7gが多い印象。オルトフォンのコンコルドがめちゃくちゃ軽量だった頃が軽量化のピークか。

 概ね1980年代中頃まではハイコンプライアンスの物がどんどん出てきているが、自重の方は1980年以降は重くなってくるので注意している。

 

 上記を基準にすると

 

 メインシステムはアームがハイコンプライアンスに寄っているので制約が多い。

 

 高額でも欲しくなるのは主にハイコンプライアンスの物。極端なスペックも好きだしアームも対応しているのでウルトラハイも楽しんでいるが常用にはしていない。

 

 針先形状はケースバイケースだが楕円がバランスが良い物が多く失敗が少ないのでベストだと思っている。

 ラインコンタクト系は音質の幅が広いと思う。好みに合わない事もあり失敗すると高価なものが多いのでイタイ(笑)けれど、「あーここが良いな」という音はどこかに持っている。

 何しろ高級だからね、「高い!」というプラシーボも音質のうち?

 高価な物は試聴できるのが理想だが、たいていは「欲しい気持ち」が盛り上がって勝負することになる。

 丸針は積極的には買わないが中古市場では多数派なので自然に増える。

 

 自重は重すぎるとメインシステムのトーンアームがハイコンプライアンス用で対応しにくいので7g程度までに抑えたい。サブウエイトもあるのでもう少し重い物も使えるが実力を発揮できないともったいない、自重が重いモデルでは高価な物は積極的に買わないようにしている。

 

 サブシステムの方。

 

 高いカートリッジばかり狙っていては財布がもたない、安く大量に流通しているカートリッジで遊ぶためにメインとは違う物を用意してある。

 時々入れ替わるけれど主にやや古い時代のプレーヤーで付いているアームの良さそうなもの、サブウエイトがあれば自重への対応範囲も広い。

 市販機のアームではハイコンプライアンスで要求がシビアなものだとカートリッジによっては厳しいけれど、普及価格帯のカートリッジならば役不足なくとっかえひっかえして遊べる。好みでないので積極的には買わないがローコンプライアンスの物も使える。

 

 ほかに気にするのは カンチレバーの材質

 高いカンチレバーが付いていると音が良いんじゃないかと思って欲しくなってくる、無駄使いを促進する仕様(笑)

 多種多様だ。アルミ、チタン、ボロン、ベリリウム、ルビーサファイアダイヤモンドといった宝石系。さらに金属なら太さとかテーパーとか、宝石系ならパイプ状か無垢か、長さとか。。。

 実際聴くと、音質の好みかどうかを決定するほどでは無いが固有の傾向はあるかな。剛性が高い方がアタック音の立ち上がりが良く、スパッと切れ味の良い音がすると思う。

 

 こうして書いてみるとメインとサブを含めると何を買ってもどうにか使えるという事になる。置き場に困らないから安いと思うとつい買ってしまう。同じモデルのカンチレバーや針先の仕様の違う物を聴いてみたくなったりもするし、ジャンクのレコードプレーヤーに付属してた、とか、、、

 

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2021年11月の手持ちの針

 ブログにカートリッジネタを書き始めたので防湿庫で眠っている物、オーディオラックにおいてある物を写真に撮ってみた。ざっと数えて60超え、プレーヤーに付いている物やシェルに付いていない物を含めると70以上あると思う。そのほかに交換針が20以上。。。

 

 もう、自分用のリファレンスは決めているし、それ以外にもいくつも好きな音の物を持っているので、程々にしないと。

 

 カートリッジネタは周辺ネタも多くなるけれど備忘録もかねてきちんと書いておきたい。

 

 これから番外編までずーっと、つづく