初めてのプリアンプはこれでした。これでプリ、パワーと揃ってやっと普通にレコードが聴けるようになります。
今は休眠中ですが、大切に持っています。
これと一緒にカセットデッキを買ったので、レコードを録音できるようになって、学校から帰ると借りてきたレコードを録音してました。
レコードよりも安いとはいえ、テープを買うのも大変で、LPを録音したものは保管していたけど、シングル盤を録音したものは3本くらいのテープを古くなったものからローテーションでした。
おそらくこのプリアンプは買った時点で新製品でもない、ヤマハのC2(もうC2aだったかも?)とオンキョーのP-306が悩んだライバルなんですが、普通はこういう比較はしないものだと思います。
なぜ、真空管の、それもキットを選んだのか?
ひとつめ、聴きたかった。
真空管アンプは周囲になく、古いテレビやラジオで見たことがある程度。雑誌で古くからのオーディオ好きが語るクォードやマッキントッシュのアンプの記事を読んで、聴いてみたいと思っていたから。
当時はトランジスタアンプの新製品が続々と出てきて、こちらはこれからも買う事ができるだろうし、より良い物が出てくる。それは、もう真空管は頂点に達してしまい今後の発展が望めない、なので急速に半導体に切り替わってゆくという事(ではないんだけど、この時はそう感じた)、ひっそりと消えてゆく前に聴いておきたい。
ふたつめ、なぜキットか?安かったから(笑)
持って帰る時に取説(と、いうか組み立て図)を箱から出しておいてもらい、帰りの電車で熟読(理論的な話は解らないながらに)、学校から帰るとはんだごてを手に深夜まで組み立てて、3日後には音が出てたと思います。
ものすごく良い音でレコードが聴けて嬉しかったですねぇ。
半年後くらいには製品のA32には付いているけれど、キットでは省略されている「電源を入れて30秒ほどミュートする回路」を買って追加します。理由はパワーアンプがトランジスタなので、同時に電源を入れると球が暖まるまでにスピーカーがふわふわ動くのが気になったから。
音質的にはリレーが追加されるから劣化する、パワーアンプの電源入れるのを少し遅らせれば良いんだよ。それよりカートリッジとか買った方が・・・
と、注文した店の店員さんに言われましたが、でも、これは欲しいからと。今思うと、ガチガチのオーディオマニアにならない、緩く楽しむ性格はこのころから変わっていないみたいです。
音質云々はこれひとつしか経験がない当時の私の印象は、友人たちの最新鋭の10万円以下のプリメインアンプと比べても艶やかな音は好みでした。第一期のプリアンプはずっとこれで過ごします。
就職が決まり、「働きだすと気軽に秋葉原には行けないな」と考え、6年ほど使った頃にラックスに点検と球交換を依頼します。キットなので部品を買えば自分でも出来るのですが、メーカーにきちんと見てもらいたいとも思ったのです。
バイト代も高校生の時とは違うので予算もそれなりに、高い球入れてくださいといったので何本かテレフンケンかシーメンスが入ってる筈です。注文したけど覚えてない・・・
当時、需要の激減していた真空管は在庫がゴロゴロあって今のようなプレミアはなく海外の球でも案外安いなと思いました。
調べないと定かではないですが、A3032は最初から元々2本テレフンケン使ってたんじゃないかなぁ。ブログでこういうところをキチンと調べながら書くのは出来ない、気になったら蓋開けて確認するけど、使ってるうちに忘れてします。多分、ブログに書いても、いつどこに書いたか忘れてしまうでしょう。
結果、外した球はまだまだ使えるよ、と言われたのですが、後の第二期の初めころにヤフオクで売っちゃいました、持ってればよかったなと少し後悔。
そして、今でも本体は大切に持っています。休眠中ですけど。
真空管は音が柔らかいとよく言われますが、最近聴いても特にそういう印象にはなりません。
正直、今風の音とは思いませんが、単純に柔らかいのではなく艶やかだと思います、輪郭がぼやける安物アンプのような感じではないです。
半導体アンプでも艶やかななんともいえない雰囲気の音の物もありますから、音の印象は球か半導体かよりも、コンデンサー等周辺の部品、時代に拠って変わる音造り(流行り)で変わると思います。
確かに今使っている90年代のプリよりも音の透明感と広帯域感では劣ると感じますが、変に音を主張しない点はプリアンプとして中々の優れものだと思っています。