音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

機材の世代間のズレ

 時代の違う機材の組み合わせ、時代が変われば常識も変わる。

 

 先日、これまで好調だったプリメインアンプのプロテクターが外れなかった。電源を入れなおす事3回で復帰。参考までにアンプはパイオニアA-150D。

 原因は先日つないだLo-D FT-620と推測したのだがその後症状が再現しない。

Lo-D FT-620 チューナー - 音遊び~オーディオのブログ

 簡単な計測をしながら考察する。

 チューナー出力のDC漏れを測ってみる

 出力が2系統あるので、使っていないバリアブル出力をRCAケーブルで前に引っ張り出しテスターで確認。

 

 電源ON直後のFT-620の出力にDCが出る、電源OFF時直後は逆の電圧が出る。時間にすると1-2秒か?針が振れてすぐにスーッと下がる。こういうのはアナログテスターの方が見やすいね。

 両チャンネルとも何回か計測、右チャンネルの方が毎回やや大きく最大で1V程度でだったが計測するたびに多少変化がある、温まってしまうと漏れは少ない。電源OFFで逆が出るという事はコンデンサーの充放電の影響だな。

 電波系はさっぱりだがDC漏れはアンプの範疇、常時漏れているなら問題だが電源投入後数分経ってから調整するのが常識で動作中に安定しているなら普通。

 

 アンプ側入力にDCがあるとプロテクトかかるのだとするとDCアンプだからか?

 再現しようとチューナーの電源が安定動作するまでのDC漏れがいたずらしていると思って、アンプとチューナーの電源を入れる順番とか、時間差とか、色々とやってみたが再現しない。

 アンプの方の電源を入れたままでヴォリュームを少し上げておき、チューナー電源投入してもポップノイズさえない。一度電源を入れてしまうとその後にON/OFFしても好調ということか。

 ブログネタとしては一定の条件で再現してくれた方が面白いんだけど、、、

 

 でも、なんとなく回路図を見て考察するオーディオ。

 FT-620の回路図は見つからなかったが、海外のサイトにFT-520という機種の回路図があり、これが見たところFT-420相当、電波系以外の部分ではAMの音量調整があることがFT-620の特徴なので回路は大差ないと推測、修理でなく考察してみるには充分参考になるだろう。

 出力アンプはオーソドックスなエミッタ接地回路、時代的に当然DCアンプではなくカップリングコンデンサー入り、バイアス調整などもないシンプルな物。

 動作中問題ないのでコンデンサー交換必須では無いけど、球パワーアンプ時代の経験からすると計測時に毎回右の方が漏れが大きかったのはカップリングコンデンサのバラつきはある?しかし、コンデンサーの劣化を疑って交換するなら電源回路の方だな、電源投入後の電圧変動が減るとか安定までの時間短縮の可能性はあるかも?

 んー、決定的な問題なし、正常なことを納得した、そういう事にする。

 

 考えるのではない、感じるのだ!音を聴こう、それが正しいオーディオだw

 使ってれば調子よくなる!!

 こういう事書くと「とりあえずコンデンサーなんでも交換派」に怒られる?(笑)

 電解コンデンサーは通電時間と経年変化の両面で劣化していき最後には壊れる、が、ある程度充放電を繰り返す方が構造の自己修復機能が働くので性能維持できるという記述をどこかの製造メーカーの資料で読んだ。コンデンサーってのは電池の一種だから、スマホの電池長持ちテクニックと根っこは同じと思ってる。

 アンプの電源入れて10分(1時間だったり?w)しないと音が本調子じゃないとか、保管しっぱなしのアンプより時々使ってるアンプの方が音が良いとか、現実に実感するのは、ここらへんが理由だと思ってるんだよね。(*諸説あります*)

 

 選局しておいて電源ONしてクォーツロックで引き込まれて音が出るのは数秒後、充分に温まっていればロックまで1-2秒か?温冷でずれはあるという事を実感するがクォーツロックなら時間経過しても微調整は不要という、先進技術(笑)の便利さを実感できた。

 手持ちのチューナーでももう少し新しい時代、今あるものではケンウッドのL-01Tでは電源ON後少し時間をおいて音が出る。安定動作するまでの時間信号出力しないのではないかと推測、アンプのプロテクターほど凝った回路でなく単純なタイマーじゃないかと思う。より新しいシンセサイザー式のチューナーも同様で音声出力までにタイムラグはある。一方、以前持っていたテクニクスST-3400(1973年)はスイッチを入れたとたんに音がポンッと出てきて、それはそれで気持ち良かった。

 

 こういうことをやっていると、若い頃を思い出す。

 当時は真空管のプリアンプ(LUXKIT A3032)にトランジスターのパワーアンプのセットだったのだが、ある日スピーカーを見ると電源ONにして10秒後程からコーン紙が派手に動く。そして音が出るころにはおとなしくなる。普段サランネットを付けて聴いていて、途中で外すことが多かったので電源ON直後の動きには気付いていなかった。プリの真空管が温まって動作が安定する前にパワーアンプの方が働いてしまうのでこうなる。

 面倒なのでパワーアンプの入力レベルを最大にしっぱなしで、プリのヴォリュームも最小にしていない、横着な私がいけない。

 でも、知ってしまうとこれは嫌だという事で製品版CL32には付いているタイマー回路を、キットではオプション設定としてあったので購入して取り付ける。

 すでに発売開始から3年くらい経っていて店頭在庫などなくメーカー注文となり、秋葉原のお兄さんに、

 「その動作は普通、球のパワーアンプなら全然問題ない事だし、スピーカー壊れないなら別に良いのでは?気になるならプリの電源入れて1分くらいしてからパワーの電源入れれば良いのでは?リレーを入れると音質は落ちるよ」

 等々、教育された(今思うと大した金額でもない物をメーカーから取り寄せて販売するのが面倒だったんじゃないか、と)けど注文して購入。

 機材をまとめておいてあると電源はまとめてONにする方が楽、オマケ回路を付けておけば精神衛生上良い。

 が、2年後くらいには真空管パワーアンプを使い始める、年長者のいう事はちゃんと聞くべきだった、お兄さんありがとう、バカな学生で申し訳ない。

 今なら付けない、なんで貧乏学生がお金払ってこの回路付けたんだろうねぇ、自作から遠ざかっていたのではんだ付けして何かやりたい欲求も大きかったのかも。

 

 1970年代中盤から段々とアンプにプロテクター回路が付くようになり、DCアンプでは必須となったけど、プロテクターがどこをどうやって見ているのかに拠っても影響は違うだろうな。このアンプでも電源入れるときに入力セレクターがチューナーでなければ当然影響無しだろうし、ヴォリューム最小で電源入れれば(あまりやってないな、けど、基本です)きっと症状でない、そもそも今は何やっても症状がでない。

 今回の件、色々とチューナー側を疑ったが再発しないという事は、、、、、アンプが壊れかけているのか???だったらやだなぁ(笑)ま、それは無い。

 

 機材の時代が違う物なので、、、、、責任者である私が、部下のオジサンと若者の特徴を良くとらえて仕事の順番を決めれば、オジサンのガサツさに若者が不機嫌になることはない、って事だ。

 

 新旧ぐちゃぐちゃに取り混ぜて音遊びしていると、スピーカーの耐入力とアンプの出力とか、カートリッジとアームのマッチングとか、相性を考慮する事で損はない。

 

 最良の対策は「使う人が解っている事」でした。