音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

カートリッジ側から見たトーンアームの重要性 その1

 トーンアームはカートリッジの性能を引き出すもの。

 

 お盆休み中の殴り書きです。

 

 今は検索すれば色々な事が判るので便利だが、オーディオ(以外の世界も多分そう)の世界では何かとディスる記事を良く見かける。私も好きでない物はディスる(笑)

 これとこれを比べた、とか、まあ色々見た(聴いた)けれどそれを取り捨て選択する事が重要だと思う。こういうところは雑誌の時代から同じ。

 

 ビクター JL-B44H のトーンアーム

 レコードプレーヤーといえばテクニクスSL-1200シリーズ。今も最新モデルが売られずっと生き延びている稀有な存在だ。

 でもねぇ、元々は出来の良い中級機で、それがその後のアナログ不遇の時代にDJ用途で「流通が多く入手しやすく、壊れない」事で有名になった。歴代モデルにはDJ用途に振ったモデルも多かった、付属アームは使い勝手の良い汎用アームだ。

 そのSL-1200でカートリッジを評価する。

 いいですよ。ミドルコンプライアンスの物ならば。

 ガチのハイコンプライアンスのカートリッジも、ローコンプライアンスのも、このアームで評価するのはダメでしょ?

 

 実は嫌いじゃないけどすべてを賄えるわけではない人気機種を少しディスってみた。

 

 昭和の時代のオーディオ誌では、カートリッジ試聴での機材を明記し、「この製品にはこういった機材を組み合わせるとまた違う結果になるだろう」と試聴結果を踏まえてマッチングの提案をする評論家も何人いて、そういう記事が妄想を大きく膨らませることが出来て好きだった。

 安物も高級品も紋切り型に評価する、メーカーのちょうちん持ちが増えていってオーディオ誌がつまらなくなり、オーディオそのものが衰退し、ネットのおかげで少し持ち直して現在に至る。

 

 比較試聴する場合は「比較する物以外の条件を共通にする」が基本。だけど、機材の相性が大きくずれていると比較にはならない。

 最近のカートリッジは高価な物も多いが尖がった仕様の物は多くはなさそうで、使いやすいスペックが多い。現在市販されているトーンアームで対応できた方が市場評価は高いし、使いやすくて音が良いならそれに越したことは無い。

 その点、古いハイコンプライアンスカートリッジはユーザー側が無知で正しく使われていない場合でもそこは置いといて評価が低くなりがち。

 

 カートリッジを比較するなら、コンプライアンスと自重でグループ分けして適合するアームで比べないといけない。もっと言うならシェルやシェルリードは共通に、、、となっていくのだけれど、ある程度以上は比較すること自体無意味になっていく。

 ソコソコの価格(とも言い切れないけど)までの、使いやすい仕様の物ならば条件を統一して聴き比べるのは面白い。

 けれど、アーム側に諸々要求するようなカートリッジは音が出たからと言ってその音をそのまま評価するのはあまりにも乱暴だろう。

 一番普及しているミディアムコンプライアンス向けの出来の良いアームの他にローコンプライアンス向けの重ためのアーム(できればロングアーム)、ハイコンプライアンス向けの軽量アームの3種類は欲しい。

 けれど私は、ローコンプライアンスの音には興味がないので重ためのアームは持っていない。だから1980年ごろの比較的ハイコンプライアンス寄りのアームに自重の重いオルトフォンSPUを付けるためのウエイトとか、対応範囲はオプションパーツで広いとはいえ軽量カートリッジ向けのAC-3000MCに重量を加える部品など、最近みかけた便利部品をネットで見つけて、、、買うはずがない、そういうことをやる意図が解らない。元のアームの性能を削り取るだけで得られるものが無いだろうに。

 

 市販のレコードプレーヤーに付属しているシェル交換型のアームは対応範囲に妥協が必要で、ミディアムコンプライアンスの物なら問題ないがハイコンプライアンスでは少々無理があるものが多い。上記のSL-1200Mk2以降は良く出来たモデルでトーンアームも良いのだが、そもそもの狙いが違うという事だ。

 市販モデルの付属アームの中でかなり気に入っている(デザインも、ね)ビクターのJL-B44H用はテクニクスよりももう少し古い時代、テクニクスよりも少し重くローコンプライアンスに寄っていてDL-103も使えるが、一方で針圧1.5g以下だと厳しい、使えないとか音が出ないという事ではなく良い結果にならない。同時代のマイクロMR-611には単品販売されたMA-101が付いていて、こちらは軽量でハイコンプライアンスに向いている。

 先日サブシステムに導入したパイオニアのPL-380Aのアームも同時期のSL-1200と同レベルの物、サブシステムで使うカートリッジには充分対応でき音に不満は無いが、ハイコンプライアンスカートリッジは付けない。

 

 1980年頃はハイコンプライアンス全盛でそれに合わせて純正装着アームをストレートパイプの軽量な物にして作り込んだ製品もあり、こうなると旧態依然としたトーンアームを使ったコンポーネント型のプレーヤーをハイコンプライアンス向けとしては凌ぐ。キャビネットもモーターもそのレイアウトもまとめて設計して量産するので、同じコストなら単品をあれこれ組み合わせるよりも良いという時代だった。

 だが、これを比較試聴に使うとなると都度カートリッジをストレートパイプに付け替えることになる、面倒なので先ずやらないだろう。

 こういったメーカー製プレーヤーでもパイプ交換できるモデルもある、単品アームならオーディオクラフトAC-3000MCの様なパイプ交換式などなら複数のパイプを用意してカートリッジをセットしておけば比較試聴しやすい。今となってはスペアパーツとしての供給が無いので中古で気長に探して必要な物をそろえることになるので、部品探しも楽しめないと、心が折れてしまいそうだが、、、

 

 まとまり無し、落ちなし、来シーズンはアームを換えようという気力を奮い立たせるための落書きでした。

 

 もっとグダグダ書きたいので「その1」にしておいた。