音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

トリオL-07CⅡに。プリアンプの入れ替えと比較視聴

 メインシステムのプリアンプの入れ替え、繋ぎ変えるだけなら簡単だけど付近の掃除など色々と初めてしまうから時間がかかる。

 

 入れ替えが面倒でついつい先延ばしにしてきたSU-C7000の修理(軽微なもの)年末年始の時間を使って入れ替えです。せっかくなので、外す前に聴いて、交換後に聴いて、時間差がある生ぬるい比較視聴もやってみた。

 

 ピンチヒッターはトリオブランド最後の高級プリアンプ、L-07CⅡ。

 初代モデルが見た目でけちょんけちょんにけなされたので、顔つきを変えて音に磨きをかけて1年もしないうちに出てきた「Ⅱ」。だが、個人的には初代モデルの外観も嫌いじゃないし音は聴いてみたい。

 

トリオ L-07CⅡ

 所有している07CⅡは2機目、元々気に入って使っていたのだが知人に請われて譲ってしまった。

 いくつか使ってきたプリアンプでメインシステムのC7000の代わりにと思えるのは07CⅡだけだったので予備機として再購入、簡単に動作確認して保管していたもの。

 

 単に保管していただけなので、使用開始前に状態確認。

 外観を軽く掃除、中も綺麗だろうと思ったけど、一応掃除、埃はわずか。特に部品交換歴はなさそう。RCA端子のグラつきがあったので対策補強した程度で、特に修理は必要無し。

 ガリも無く動作は各部正常。

 

部品が見事に対称配置

 

 左右独立回路を、さらに進めてミラー対称配置。信号系だけじゃなく電源系までできる限りミラー配置。意味あるの、コレ?っていうくらいやってます。

 もっとやるなら電源トランスまで左右独立で2個使って、、、いや、ならばモノラルプリアンプ2台構成、、、使いにくいだろうなぁ(笑) ちなみにトリオのこのシリーズのパワーアンプはモノラル2台でした。

 半透明のガラスエポキシ基盤に対称にギッシリ並ぶ部品が美しい、ICの見当たらないない「ディスクリート回路」ってヤツですねぇ。もう少し後の時代になるとそれを売りにする某メーカー広告が有ったけど、使い方次第なのでICが悪い訳じゃ無い。

 中を覗いて楽しめるオーディオ。

 

 信号の切替や取り回しは同社同時期のプリメインのケンウッドL-01Aとは違うアプローチ。リレーは使わず、対称配置の基板の真ん中にロータリースイッチを付けてフロントパネルからシャフトで繋いでコントロールしている。そのために操作感はカチッとしたものでなく剛性感の足りない感触、酷くはないけど高級感は無いかな。乱暴に使うと破損するけど、このクラスを使う人は丁寧だから大丈夫、、、なはず(笑)

 プリメインではパイオニア等にも信号切り替えにリレーを使っている機種があるけど、パワーアンプ部分に場所を取られるので配置の制約が大きいからでしょうね。個人的にはリレーよりも機械的なスイッチの方が好きです。

 

 操作系はシンプルでスイッチの使い方が同社プリメインよりも普通、使いやすい。

 MM/MCの切替はできず、入力差し替えなのは不便だが音質重視なので仕方ない、今はMCに外付けトランスを使っているので問題なし。

 トーンコントロールのディフィートは無くてステップ式にして音質劣化防止、ターンオーバー周波数の切替は無し。アナログ時代らしくサブソニックは付いている。

 

 外観は黒パネルに白文字で目視しやすく、使用中には電源ランプが点くだけでシンプル、目立たなくて好きだ。幅は少し大きいが内寸が大きいわけではなく正面から見えないサイドウッドが分厚いだけ、これは07Cでラックマウント付だった頃の幅の名残?酷評されて慌てて無理やりデザイン変更した感はあるかな。

 

 比較対象のC7000と07CⅡでは年代が10年以上違うし価格も違う。

 定価で3倍弱(物価上昇分を独断で勘案すると2倍かな)、まぁバッテリードライブと高いボリュームとゴツいシャシー使えば同じ値段でしょう。

 現在の中古相場では5倍くらいの価格差?

 アナログレコードの成熟期、1980年ごろのアンプは価格からは信じられないくらいに良い部品を使い凝った事をやっていて、コストパフォーマンスが高い。その後CDが登場してバタバタするけどアースの取り回しやシャシーの防振等々少しづつ進化、バブル崩壊後は需要が激減し高級機以外(一部の高級機もだが)はコストダウンが進んでいく。私にとってこの2機種は「山のてっぺんの始まりと終わり」。

 

 今回入れ替えを兼ねて聴き比べたけれど、07CⅡの音は今も好きな音だ。電源入れてすぐは粗いけれど、30分程すると滑らかな良い音になる。

 C7000に劣るとしたら、、、音粒の細かさ、低音の切れ、音の分離、解像度、静かさ、諸々違うけど粗探ししながら比べて聴いて解かる程度。それと、音がわずかに暗いかな。昭和のオーディオ誌でよく「ヴェールを1枚剥いだ様な」という表現があったが、1枚分も違わないと思う。「透けるような絹のヴェールを纏った音」これなら昭和のオーディオ誌らしいかな?

 以前に感じたC7000の方が広帯域な感覚は今回あまり感じなかったが、加齢で私の耳が劣化しているんだろう(笑)

 

 わずかな差が、時代の違い、価格差、という事だろうけど、しばらく聴いていると特に不満もなく楽しめてしまう。

 

 オーソドックスで真面目な良いプリアンプです、07CⅡ。

 

 今手元に残っている他の2機種は1つは真空管、もう1つは小型高級機でEQアンプ代わりに残してあるもの、明らかに違うこういうのは違いが解かり易い。そして、プリアンプの違いよりも、スピーカー、カートリッジはもちろんパワーアンプの音の違いがはるかに大きい。

 今回のトリオとテクニクスは同じ目的で選んで満足している物同士の比較、音の違いは解かるけれど選んだ私にとって決定的な優劣はないんだよね、、、、、、

 

 07CⅡをバッテリードライブにして、抵抗体回転ボリューム付けて、固定の甘いコンデンサーを接着剤で固定し、筐体を頑丈にしてやれば、C7000よりも良くなるかも?良くなるな~、間違いない!

 や、C7000、直そう。