音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

テクニクス SU-C7000 プリアンプ修理という程でもないボリュームのメンテナンス

 テクニクスSU-C7000、ボリュームのガリを無くすメンテナンス。

 

 メインシステムの要で愛用してるけど当初からボリュームにガリがあり、しばらく気にしてグリグリやって使っていたらほとんど出なくなったのでそのまま使っていた。

 

 ところが、サブシステムを組んで遊び始めて使用頻度が減ったら再発、程々に使うのが一番良いんだよねぇ。。。

 

 参考までに。

 ボリュームやスイッチの接触改善には電源を入れない(電気を流さない)でグリグリ動かす事、電気流したままで接触/非接触を繰り返すと損傷が進み悪化します。

 

 今回のメンテナンスは外してきちんと。

 

 SU-C7000 ボリュームを取り外し

 このヴォリューム、抵抗体を回転させる事で接点数を減らしました、という凝った物で、高級機御用達の逸品。

 当時のテクニクスの資料によると補修部品で8万円くらい。高いよねーーー。

 素材は亜鉛ダイキャストに金メッキと書いてあるURLが有ったけれど、真鍮じゃないかねぇ???亜鉛だと剛性が不安、金色だけど金には見えん。

 金(読み方は、かね、きん、どちらも正解w)に縁がないので金ベースの合金だとすると色が解らんけど、今時の訳解らん高級機じゃないんだから「お値段お高くなってますが、当ブランドでは金メッキしております」って事はやってないと思うんだよなぁ。

 

 さて、今回の作業、一番の目標は壊さない事!

 そして、目的はガリを無くす事。

 基板から外し慎重に分解を始めたが、部品の固定に使っている小さなクリップが外すときに破損させる懸念がある。破損しなくても再使用すると固定が甘くなる可能性があるので分解しない方が安全と判断、リスクが大きいならやめるのが大人です。この部品が入手できれば分解したいけど、、、、、断念。

 

 工程を変更してメンテナンス開始。あまり好きじゃないけど接点復活剤に頼る方法。

 接点復活剤大量使用しぐりぐり動かして接触部分の状態を改善、抵抗体を丁寧に清掃してチリを除去、無水アルコールで全体を洗浄、可動部へ再給脂、これで、メンテナンス完了。

 無理に分解していないので組立て精度は落ちてないはず。

 単体での動作確認は針式のテスターで。メンテ前は針がピクっとしたのが、メンテ後はスムースに動きます。

 

 観察してわかった事。

 この組付けの構造だと左チャンネルにガリが出やすい。ウチの物は左のみのガリだったので復活したが、右にもガリが出ている物だと完全分解しないと清掃しきれないかも?そうなったら壊れたら交換、と覚悟をもって分解に挑戦するしかないな。

 

 今回、最悪は交換する事も視野に入れていたのでサイズ等色々と検討し、最小限の加工で取り付け出来る交換部品の目途はついた。

 が、オリジナルの音ではなくなると考えるなら無段階音量調整を捨てて、多段ロータリースイッチと高音質抵抗を使ったアッテネーターを大加工前提で取り付ける方が、より鮮度の高い音が得られそう。

 いやいや、そんなことしたらすぐに音に飽きるぞ、抵抗体のカーボンを通る事まで含めて音がまとまっているんだ。以前RCAケーブルの中間にボリューム付けてCDプレーヤーとパワーアンプを繋いだら生々しい音になったけど、結局やめちゃったじゃないか。難しいんだよねぇ。。。

 

 今気に入っている物は今のままが一番!

 

 基板にハンダ付けしてアンプの中に戻して完成。

 

SU-C7000の中身

 受注生産品で1992年に45万円という高級品。

 受注生産というのが寂しい現実、オーディオが廃れていくので各社高級品から撤退、この7000系が20世紀の最高級機。売れなかったんだろうなぁ、廉価版の3000が抵抗体回転ボリューム採用の実質後継機として1999年デビューしテクニクスのフラッグシップとしてしばらく継続販売され、家電メーカー系では最後まで頑張っていたけど、ブランド消滅。

 次の高級機はテクニクス復活まで待たなければならない。

 

 17.5Kgとプリアンプとしては重いのだが、重量の多くは防振までも考慮したシャシーと、電源の理想でもあるバッテリー。

 天板(厚い、重たい)を外すと綺麗な銅メッキの筐体が出てくる。シールドケーブルは太いし、ガラスエポキシ基盤に金メッキだし、電源周りのパンチングメタルのシールドも銅メッキだし、パッと見の高級感はある。

 パーツはICが多く左右対称配置という程でもない、スイッチ類はフロントパネルについている。

 正直な感想、中をこうして覗いても「すっげーっ!」とはならない。良い部品と高いボリュームを使ってバッテリードライブ搭載しました、必要な事はやってますのでこんなに良い音出せちゃいます、ってか?。

 お気に入りのCDプレーヤーのSL-P2000も中身はそんな感じ、テクニクスってとても現実的、技術力が劣る筈もないのでツボを押さえてしっかり儲けてる(笑)

 

 今ピンチヒッターとして使っているトリオの方が基板の眺めは好きだなぁ。

トリオL-07CⅡに。プリアンプの入れ替えと比較視聴 - 音遊び~オーディオのブログ

 

 C7000の音は良いです。これまで使ったプリアンプで一番。

 解像度も透明感も音場感も全く不満が無い、しいて言うなら、わざとらしい音とまでは思わないけれど今の私の好みだと煌びやかさがもう少し弱くても良いかな、これは今回トリオと入れ替えて感じた点で、使っていた時の不満ではない。

 パワーアンプではA100、A5000、A7000と使ってA5000が一番気に入っているので、もしかするとプリもC5000の方が好みかもしれないし、もうひとつ前のA200も良いかも?と考えたけど、どちらもバッテリー駆動ではないしAV入力付いていてビデオ信号が入ってしまう、黄色いRCANTSCアナログビデオ信号、中で何か処理するわけではなくセレクター機能だけだろう、、、、使わなければ良いだけと考えれば中古相場はお買い得だけど今となってはかわいそうな時代の製品。さらに前のA4Mk2は気になる存在だけど、MCトランスは今外付けしてるからそこにこだわる必要もないし、トーンコントロールはあまり使わないんだよなぁ。

 新しい方、C7000Ver.4からのコンデンサーは雑誌評価などで見る限り好みの方向ではなさそう。実質後継機種のC3000も同じコンデンサー使用、で、値段が10万円安くなってるのに製品が良くなる事はないだろう、多分イコライザーアンプはニュークラスAAでは無い様で新しい回路がどうなんだか。

 なんやかんやで、私にはC7000が一番。

 

 偉い!良くやった!と思うバッテリードライブはプリアンプなら消費電力が少ないから実用になる。

 かといってAC電源での音が悪いわけでもなくCDではDC化のメリットはごく僅か、でもアナログレコードでは真価を発揮する。PHONOはMMのみで1系統、DC電源で聴く音がとても良い。電源だけでなくイコライザーアンプの出来も当然良いんでしょう。

 他の入力は1系統バランス入力対応、他はLINE(AUXだね),TAPE,CDもRCA入力のみ、デジタル入力には対応しない。D/Aコンバーターなし、リモコンも無し。この中にはアナログ信号しか存在しないという事。入力表示から「TUNER」が消えているのがなんとなく寂しい。。。

 前面下側のカバーを開けてもそれほど多機能になるわけでもなく、テープ切替などが付いているだけ。トーンコントロール無し、バランスボリュームもバイパスできる。割り切りが凄いです。

 

 レコードを最高の音で聴くために電池駆動のイコライザーアンプ作ってみたんですが、こんなもん売れない、と上司に怒られました。で、セレクターと高いボリューム付けて売りやすい形にして綺麗な箱に入れて高級品として仕上げました。

 いいでしょー、好きでしょー、こういうの。

 高級機は大量に売れないので受注生産なんです、ですからお値引きは難しいですが良かったら注文してね。

 

 このアンプを入手(中古です、もちろん)した頃、気に入ったので長く使いたいと思った。テクニクス改めパナソニックの修理部門にバッテリーとヴォリュームの交換を依頼する予定で尋ねてみたら、バッテリーは製造中止(5年遅かった)、ヴォリュームも既に在庫なし。

 このシンプルなアンプは今の私の使い方にちょうど良い。

 気に入ったのでお金かけても良いと思ったんだけど高級機でも耐用年数は家電なんだよねぇ。

 

 バッテリーは同形状の物で代用し現在3セット目、ボリュームはだましだまし使っていたけど今回メンテナンス。劣化が酷くなって要交換となると面倒だなぁ。

 組付け後の動作確認では今回のメンテナンスでガリは無くなった。

 ついでに、綺麗だけどRCA端子も掃除して、中の埃もエアーで吹き飛ばし。

 バッテリーも交換後だいぶ使ってるな、面倒ついでに交換しておこう。

 

 しかし、復帰は後にしてしばらくお休み。せっかくL-07CⅡに入れ替えたのでそちらを楽しんでから、って事で。