音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

オーディオテクニカ AT-SP500 サブスピーカーに仲間入り

 AT-SP500は不人気モデルだと思う、でも気に入っている。

 

 1988年に1台29000円、16センチ2ウェイの単品販売機としては1987年のオンキョーD-200が27500円なので標準的な価格だけど、専用スタンドが24000円なのでまとめて買うとこの大きさではやや高い価格帯か?

 1988年といえばカートリッジは売れなくなりOEMの需要も減っていたはず。客先でもある他メーカーと競合するスピーカーを販売しても、いじめられないんじゃない?って事で販売商品を増やしカートリッジの売り上げ低下を補う、だな。

 

 AT-SP39AVという小さな2ウェイを先に購入。こちらはアンプの購入直後/修理後の動作確認用に「壊しても泣きたくならない格安品」ならば何でもよかったのだが、偶然オーディオテクニカのスピーカーを見つけて珍品も良いかも?と購入。低音は全く無いといってよいくらいのオマケ的スピーカーなのだが時にヴォーカルが生々しく聴こえたりする。

 ならば普段使いにちょうど良い物としてはAT-SP500かな。しかし、ポリプロピレンコーンのウーファーにチタンドームなので当時は購入意欲が沸かなかった。

 

オーディオテクニカ AT-SP500 暗かったので手振れ写真(笑)

 安っぽい音しかしないと思いこんでいたけど、オルトフォンのスピーカーでポリプロピレンコーンの音も作り方次第なんだな、と再認識後に改めてAT-SP500が欲しくなってしまって購入。

 購入直後に動作確認で音量を上げたらゴムエッジがバリバリとすごい音で割れて、いきなり壊した!と思ったがボイスコイルは無事だった。

 エッジを張り替えると細かな音も良く出るようになり、しばらく使った後しまい込んだままになっていたけれど、サブシステムの機材を少し入れ替えるついでに存在を思い出して繋いでみた。

 

 音は今風(個人の独断)のカッチリしたもの。

 低音域はブーミーなところが無く自然で聴きやすい、これはリアバスレフの良さだと思う。中音域の余韻はすっきりして分厚い音ではないが貧弱ではない、高音は伸びやかだが刺激的なギザギザした音ではなくうるさくない。このクラスにしては音粒が細かく高解像度と思う。

 暖かくないが冷たい音ではない、元気ではないが静かでもない。リファレンス的に使える良いバランスの音、悪く言えば特徴が無い。

 入手当時調べたら低音が出ないという評価が多かったのだが、リアバスレフなので設置場所は選ぶし、ゴムエッジが硬化していると痩せたショボい音だろう。

 

 現在の置き方は良くない(笑)

 

 現在のサブシステムのサブスピーカ群

 セレクターで小型機4台切り替えられる。

 こんな置き方なので低音域はとりあえずの音でしかないが、中音以上はそれぞれの音を聴いて楽しめる。まともな低音が欲しいときはこの4台の下にあるデカイのに任せればいい、それでも足りなければメインシステムで聴けば良い。理想的な置き方ではないけど色々な音を気軽に切り替えて聴けるというのも楽しい。

 

 「音の良さ」を言うとヴォーカル好きな私の独断ではJAMO(元々が高価だしね)なのだがしっとりした音でやや暗めなので、フロントバスレフで明るく元気なJBL、密閉型で静かなインフィニティ、フラットでクリアーなオーディオテクニカと違う音それぞれを楽しんでいる。

 オーディオテクニカのカートリッジには特徴ある押し出しが有るのに、スピーカーの方は色付けが少ない(できない、だったのかも?)のが面白い、けどねぇ、こういう音だと店頭試聴ではイマイチ弱い、きっと売れなかっただろう(笑)

 AT-SP500が今つないでいるこの4機種の中で一番古いけど、耐入力が小さい事以外では他機種に劣るところはなく音としては一番今風(当社比・笑)に感じる。

 

 オーソドックスな外観だが造りは実際に手にするとしっかりしてるし、バイアンプ対応しているのでガチに使ってくれて良いですよ、という本気度の高さ。

 カートリッジでの知名度があったとはいえスピーカーでは新参者、いきなり高級高価格で市場に殴り込み!とはいかない。不人気で安かったからなんとなく買ったらこの価格帯ではトップクラスの音だった、という良い意味で期待を裏切る逸品。

 流通は極端に少ない。このクラスも全体に高くなっているけど、今でもレア物プレミアムは付かないで割安に買えそうな気はする。

 

 現在でもこの音で充分通用すると思う。メーカーはまだ有るんだから、スピーカーに再参入、、、しないだろうな(笑)