音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

Technics SB-MX100D と ONKYO Scepter SC-2

 メインシステムのサブスピーカーとしてTechnics SB-MX100D と ONKYO Scepter SC-2 とを併用するようになって3年ほどになる。

 

 2ウェイでは、このくらいのサイズならば低音も出るし高音とのつながりも良い、クロスオーバー周波数がボーカルの帯域に被らない設計の物が多く、安価なモデルでも良いバランスの物が多い。

 その中で、同時期同価格帯の高級機、音も見た目も作り方も違うのが面白い。

 

 計測し解析し無駄をそぎ落とした100D。高剛性なリアバスレフのエンクロージャーは楽器の世界では「響きが悪い」といわれるウレタン塗料多層塗り、これ以上ないというくらいの艶々な外観。

 

テクニクス SB-MX100D 修理 エッジ交換 - 音遊び~オーディオのブログ

 

 試聴を繰り返し(多分)経験を生かしたSC-2。振動を押さえつつ、響きを作り込むために米松合板をバッフルに使った。半艶の突板仕上げにフェルト張りのバッフル。

 

ONKYO Scepter SC-2 修理して活躍中 - 音遊び~オーディオのブログ

 

ONKYO Scepter SC-2 修理直後

 

 音は対照的。

 

 100Dの音の印象は、緻密、正確。無駄がない静かでクリアーな音だが薄っぺらではない。

 音は押し出しは強くないけれど充分な厚みがあり余韻が綺麗、音の分離が良く消え方も良い。

 すべてを見渡しながら聴いている印象。少し抑えめの表現。良く聴くレコードでカートリッジの聴き比べをする時など、違いがしっかりと判る。上級機のMX200Dと音の質感は劣ることはなく、高級機と呼ぶにふさわしい音がする。

 能率が低めで特性が良いというのはその後の高級スピーカーの主流になった。最近のスピーカー(数多く試聴して無いが)だとかなり高価な物でないと100Dと比較できる程の音は出ていないと感じている。

 最新の小型機と比べても聴き劣りしないだろう。

 

 SC-2は豊か、暖かい。解像度の高い音が押し寄せ、鳴りっぷりが良いという表現がぴったりくる。

 煌びやかで力強いがうるさく感じない高音、フロントバスレフのせいか100Dよりも量感を感じる低音(試聴環境はガレージ内なので背面の壁が遠く、リアバスレフの100Dが低音再生では少々不利となる)。ヴォーカルには厚みがあり余韻も良い。全部の音が前に出てくる感じで、楽器やヴォーカルの位置が近い印象。

 古き良き時代の、音に包まれるスピーカーとの共通点も感じる耳あたりの良い音。音粒の細かさは古い時代の物ではなく、100Dと比べることのできる唯一のライバル(当社調べ・笑)

 

 どちらも良いアンプで鳴らしたいのでメインシステムに繋いである。

 音のキャラクターは違うが使い分けは単純ではなく、れぞれの魅力で概ねオールマイティに鳴らしてしまうのは高級機だけあって基本の音がきちんとしているから。

 能率は100Dの方が2db低いだけだが、聴感上はもう少し差があるように感じる。

 100Dの方を内側(左右間隔1.7m程)に配置してあり聴く位置には近い、これを外側のSC-2の位置(間隔2.7m)にもっていくと音量をかなり上げないとソースの粗が気になりやすく、真ん中の音が少なく感じてしまう。

 SC-2の方は音量を上げなくても音が前に出てくるので粗が気になりにくい。

 サブスピーカーの位置づけなので大きなスピーカーの上に置いてある、これを専用スタンドを使って背面や壁面との位置関係をそれぞれに煮詰めると両者の音場感の差は小さくなるようにも思うが、、、、、

 

 良いアンプで使いたい、、、今はバイアンプ駆動ではなく内蔵ネットワークを使ってセパレートアンプで使っている。バイアンプの方が良いのは解るが使い勝手の良さを取っている。100Dでバイアンプ駆動した時の音は一段と良かったが、低域用と中高域用のアンプが同じものでないと音をまとめるのが難しい。 

 アンプは贅沢な物を使うに越したことはない。が、SC-2ならそれほどパワフルなアンプでなくとも音の良いアンプがあれば良いし、100Dの方では低音を締めるにはパワーが必要だが、球の50W程度のパワーアンプでも中高音の良さは楽しめるから100Wクラスの良質なプリメインアンプでも充分楽しめる。

 100Dとなら同じテクニクスのSU-V10との組み合わせはベストマッチングのひとつだと思っている。

 SC-2なら、、、、、と、書きながら思い返すとベストが決まっていない。ケンウッドのL-01Aという事にしておこう(笑)

 

 ヴォーカル好きな私としては聴く声がパワフルとかハスキーとかならSC-2かなという程度の使い分けで、気分で切り替える。

 ライブ音源なら、生々しさは100Dが勝るがライブ感はSC-2。スタジオ録音なら緻密で正確な音の100Dに対し、色々な音の余韻が溶け合うSC-2。

 どちらもどんな音楽でも聴かせる実力を持っている。

 

 どちらかを残して機材を減らす、となったら残すのは100Dだな。が、SC-2の生き生きした音も捨てがたい、だから今は場所があることに甘えてダラダラと両方使ってる。