音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

オーディオの柔と剛

 剛を突き進めるよりも柔を上手く使うのが今の自分の環境に合っていると思う。

 

 実家も学生時代のアパートも6畳間。畳の部屋でオーディオを楽しむためにスピーカーの下にブロックを置いたり、ラックもブロックと厚めの合板で重たく作ったり(市販の良い物は買えなかったし)していたけれど、そもそも畳や木造のフローリングでは振動から逃れられないと思う。

 

 今は副題の通りガレージで楽しんでいるので、下はコンクリート。ラックもそれなりに重量のあるしっかりしたものを使っている。周囲も6畳間よりもはるかに広く、カーテンや押し入れのふすまなど吸音してしまう物は少ないので変に音がこもることもない。

 

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高さ調整の鉛板

 ラックやスピーカー台は当初はネジで調整する物で水平調整していたけれど、今はコンクリート床の恩恵を最大限に生かそうとラックやスピーカーの設置用石板の水平調整には鋳物の足受けと鉛のスペーサーを使っている。面倒だけれど一度調整すればそうそういじるものでもない。

 低音がクリアーで歯切れがいいとか、色々と恩恵はある。中でも一番恩恵を感じるのはレコードプレーヤーのハウリングマージンだろう。サブシステムの方はメインに比べると簡易なラックなためか、音の「静かさ」が劣る。

 

 一時はメインのレコードプレーヤーのインシュレーターを柔らかな振動吸収型ではなくスパイクと受けを使った「剛」に換えようと考えたが、「今決定的な問題がないならそのまま使おう」という事になった。

 

 先日サブシステムを使っていて小音量で聴いた音が案外と良かったから。けれど、ボリュームを上げるとやかましくなる。

 メインのレコードプレーヤーは1980年代以降のガチガチの高剛性指向、ダストカバーなんかない方が良い、、、、、というようなものではない。

 1970年代後半のテクニクス製でキャビネットは共振しにくい樹脂を使った物、結構重たいがガチガチの「剛」ではなく「柔」を残しつつ「剛」を取り入れた時代の物。それでも結構な音量で変にやかましくなることはないし、いつも聴く音量で不満はない。

 カートリッジやCDプレーヤーの音の粗も良くわかる。粗が解り易いので比較視聴するのはほとんどメインの方。

 

 ところが、メインの方でイマイチ余韻が少ないとか音場が小さいとか音の分離が悪いとか、そう思ったものでもサブシステムで小音量で聴くとさほど不満が無かったりする。なぜか???

 サブシステムではラックの剛性やレコードプレーヤーのハウリングマージンが低い事が大きく影響しているだろう。余韻が小音量でも良いなと思った音は、実はハウリングを聴いていた、絶対そうだな。

 「厚みがある音」は解像度が甘く歯切れが悪いので「ドン」が「ドゥワン」に聴こえているだけ。音場の広がりが少ないのが気にならない一番の要因は、スピーカーの設置間隔が狭いから少し音量を上げると左右の音がごちゃ混ぜになっていくからだ。

 

  メインの方のターンテーブルマットは柔らかいブチルゴム系、トーンアームのウエイトはラバーダンピングしてあるタイプだし、今は使っていないけどオイルダンプのアームも好きだ。ガチガチではなく逃げを残して、音のシビアすぎる部分を適当(良い意味で)にいなす方が聴きやすいのだろう。

 メインで聴く音は正直今の音でも聴こえすぎている感はあり、聴いている途中で「この曲はこのカートリッジの方が、、、」などとやってしまう。良く聴くレコードならなんとなく決まっているので良いけど、新譜はすぐには機材が決まらない。

 オーディオとしては正しく楽しいが、音楽鑑賞としてはいかがなものよ?

 新譜も一度全曲通して聴いた方が絶対に良いと思うので、そういう時はとりあえず「今の一番いい音」で聴けば諸々あきらめが付く。

 

 サブの方は以前のレコードプレーヤーではハウリングが目立つ事はなかったので、今のプレーヤー(古い、古すぎる)は気にならない程度にまで対策した方が良さそう。

 

 メインは今の状態からさらにガチガチにしたら今は聴こえない何かを聴いてしまう、そしてその対策に高価な物が欲しくなる、だからやらない方が幸せだ、きっと(笑)