JAMOを使ってる、一番ではないけど結構気に入ってる。
ConcertⅦは先日スパイクをセットしてやっと気になるところなく聴けるようになった。
調べた蘊蓄。
JAMOはヤモと読むらしい、デンマーク語か?
2000年頃までONKYOが輸入代理店。
デンマークのスピーカーメーカーとしては大きく、ヨーロッパではメジャーらしい。今(2022年)もあるみたいだけど、日本ではマイナーブランドのまま、だと思う。
Concertシリーズ前のJシリーズも考えたけれど1970年代後半と古い物なので程度のばらつきも大きいと思うし、流通が少なくヤフオクでさえめったに見かけないのでやめた。大きめなので設置場所も考慮しないといけないし。
当時の価格は10万円オーバーの物が多いけれど海外製品としては割安かな。能率の高いモデルが多いので魅力的なんだが。
Concertシリーズは「WARMトーン」の考え方はオンキョーのMID4と似ていると感じたので、ヴォーカル好きな私には「最高」ではなかったとしても「要らねーよ~~」ではないと推測。少しAV色入ってきてるけど1990年ごろなのでリアルオーディオの最後の頃。能率は不明。
正規輸入ではⅦがトップモデルだけどⅪ(スペック不明)というのもあるらしい。
Concertシリーズ以降はAV色が強いので対象外。
調べてるうちに欲しくなるのは子供っぽい、けど衝動買いしなかったのは少し大人になったって事だね。
何しろネット上に情報が少ないので古いカタログを買ってみたりもした。1970年代の28センチウーファーのモデルJ122でも25Hzからとなっているし、宣伝文句もスペックも全体に低域を売りにしていると感じた。変にドンシャリじゃないといいなと思いつつ狙う機種を決定。
ConcertⅡ、Ⅴ、Ⅶと情報があった中でⅤはなんとなく中途半端に感じたので除外。
150Hzから4kHzまでをWARMレンジとするならクロスオーバー周波数が150/4KになっているⅦが「そのもの」だろう、正規輸入モデルでは一番高いし、高い物は間違いない、はず。中古価格は新品価格に比して比較的安いんじゃないかと思う。買うならⅦ!
なんだけど過去に聴いた事が無いので妄想だけで買うには大きさも価格も失敗したときのリスクが大きい。
仕様で気になったのはポリプロピレンコーン。カーオーディオでは軽い音の印象(なぜか音が良く透るので用途にはあっていると思う)、家庭用ではケンウッドのミニコンポ用をBGMに使っていた時「軽快で解像度はあるけど乾いた感じで余韻が無く安っぽい音」の印象だった。それ以来オーディオとしてはなんとなく避けていたけれど数年前にサブスピーカーにオルトフォンのコンコルド2を使ったらしっとりとして余韻も良い感じ、小型スピーカーとしては音の厚みもあったので使い方なんだろうと思う。
JAMOがどうなのかは気になったけど、同じデンマーク製で概ね同時期だからという根拠のない理由で「安っぽい音はしない筈だ」と断定(笑)
Ⅱをまず購入。コンパクトなのでサブスピーカーとしてつぶしが効くし中低域用の16.7センチユニットがシリーズ共通(正確には不明だがコーン紙の材質と口径は3機種共通)のようなのでⅡの音が気に入らなかったら上位モデルのⅦも好きになれないだろう。1989年に1台45000円との事なので、輸入品とはいえ国産高級機がない80年代にこの価格設定は高級、重量も9Kgとサイズの割に重い。
Ⅱ、音出し。一聴して外国製らしい音の元気じゃない方のグループ。
元気ではなく静かな湿った音で、高音は抑えめ、相対的に中低音がたっぷりしているように感じる。
低音は歯切れの良い音ではないが癖が無く下に自然と伸びていて好印象。クリアーだけど適度に厚みがある中低音で解像度が低いとは感じないがカリカリに音が際立つことはなく音楽を聴くには聴き疲れしない、落ち着いた少し暗めの音。
能率は低く、一緒に聴いた90㏈ほどの日本製と比べるとボリュームを1時間分程上げる。ドンシャリではないしボーカルがガンガン前に出てくるカマボコでもない、中低域を豊かに出すピラミッド型だな。音色が手持ちの他のスピーカーと違うので使い分け出来て良いが、高音のエネルギー感を求める人には退屈な音だろう。アンプは出力が小さい物だと良さが出ないかもしれない。
ヴォーカルの余韻や艶っぽさはこのクラスのリファレンスにしているテクニクスSB-MX100Dに劣るけれど価格を考えると中々に良い。現在の中古価格はお買い得だと思う。
Ⅱで結構良いなとおもったのでⅦに手を出す。
Ⅱを上下ひっくり返してスーパーウーファーの上に載せました、結果最近はやりのトールボーイになりましたよ、というような構成。1989年に1台12万円、こちらは同クラスの国産高級機と比べると割安に感じる価格設定。
最初の音出しの時は台車の上だったので、低音のあばれが酷かった。ゴム足が付いているので床に直置きしたらだいぶ良くなったけれど低音はボワンボワン。量感はあるけれど気持ちの良い音じゃない。ネットで検索すると低音が階下に響いて困るとかの記事が多かったが、こりゃそうなるだろうなぁ、と思う。
大理石の台の上に乗せるとだいぶボンつきが抑えられ、重しとしてSB-MX100Dを上に乗せる(置き場所がないという事なんだけどね)とさらに良い。
ここまでやって、本来はスパイク付属らしいのでやってみようかと思う。設置で鉛板や銅板、制振ゴム等色々と気分で使ったけど、尖ったスパイクには特に興味なかったんだけど、、、面倒だし。
純正品は紛失していたのでM8ネジの市販品をベースと一緒に購入し、取り付けることにする。4個なんで高さ調整が面倒、後ろを1個にして3点支持にした方が安定して良いと思ったけど箱を加工するのも嫌なのでそのまま4点でセット。
スパイクを付けたらさらに歯切れも良くなり、ひとまず満足。迫力の重低音が楽しめる、フロントに低音ポートがあるので壁からの距離が大きく影響しないのは助かる。
あとは聴きながら向きを好みに変える程度なんでのんびりと。
帯域バランスはⅡ同様にピラミッドだが、ヴォーカルはⅡよりも少しすっきりと透る。重低音は迫力充分、スリムな外観からは想像できない力強さ。音色はⅡ同様に落ち着いた少し暗めの音、能率はⅡよりも低く感じる。
BGM用に使っている40Wのパワーアンプだと低音は出るだけで切れが悪く音量を上げるほど低音のボワンボワンが気になって全然楽しめない。プリメインでも最低100Wクラスが必要だろう、強力なセパレートで鳴らしたい。
バイアンプ駆動もできるので中高音を少し持ち上げるようにバイアンプ駆動すると、、、バランス整ってつまらない音になっちゃうかも?(笑)
ⅡとⅦの共通する点は多いと思うがⅡの方が完成度は高いだろう、普通のブックシェルフであまり気にしなくてもそれなりの音が出る。Ⅶは今使っているスピーカーの中では設置の影響がずば抜けて大きいのは確かで、使いやすいものではない。
音色にはフロントバッフルの「NCCフロントボード」が「静かさ」、悪く言えば「暗さ」を出していると思う。
ここからは考えるオーディオ。
何故設置で大きく変わるのかを考察してみる。
久しぶりに設置で色々とやってみて問題は箱鳴り(というか、箱動き)、原因は形状と重量。
まず形状。
当時の流行りもあるんだろうけど、かなり細身で縦長な形、これがダメだ。2ウェイのスピーカーにスーパーウーファーなら横に並べてエレクトロボイスセントリー500みたいな正方形にして接地面積を増やすとか、帯域バランスに合わせてピラミッド型スピーカーにすれば、もう少し重低音に耐えられたんじゃないか?
まあ、カッコよくはないし置き場所に困る。
次に重量。
スペック上は1989年、周波数特性24-22KHz、重量28Kg、底面面積897㎠
これを使用経験のある重低音が楽しめると思ったスピーカーと比較してみる。底面面積は単純に仕様の幅×奥行なのでサランネット含む奥行きの物もあるので参考値。
年代順に
1978年 OTTO、SX-P1が 35-35KHz、51Kg、1935㎠
1988年 テクニクスSB-MX200 25-45KHz 43Kg 1328㎠
1990年 オンキョー Scepter2002 20-25KHz 48.5Kg(37Kg+11.5Kg) 1407㎠
1991年 テクニクスSB-MX200D 23-45KHz 47Kg 1455㎠
周波数特性はテクニクスの2機種は-16㏈となっているが他はどれくらい落ちたところで測っているかが不明。聴感ではSB-MX200、SX-P1、SB-MX200D、Scepter2002(良いアンプで鳴らすと結構凄い低音)とConcertⅦが同じくらい、という順に重低音の迫力を感じ、ConcertⅦは最も低音が出るという印象だが設置条件やアンプでも印象は多少変わるだろう。
ConcertⅦは今も手元に有るSB-MX200Dと同等以上に重低音がでている(歯切れは落ちる)が、中高音とのバランスを考えるとScepter2002に近い。
こうして比べるとConcertⅦは軽く底面積が小さい。
細身でカッコいいけど自らが出す低音を抑え込めない。エンクロージャーの響きを考慮して木材の材質を選んでいた1970年代とは違い、細身で中にはスーパーウーファー用の構造もあるので箱の剛性が極端に不足しているとも思えないので箱全体が揺れるのだと思う。低音の少ない音楽なら暴れは出ないがそれならⅡで良くなってしまう。
凝ったユニットを使っていないとはいえスーパーウーファーに20.5Cmユニットを2本使った凝った構造の箱で、そのうえ輸入品なのに値段は上記の同年代の物の半額、同じ物量投入を求めてはいけない、この価格で良くここまでやったと褒めるべきだろう。
似たような構成では1990年代後半のテクニクスSB-Mシリーズの500以上のモデルがあるが、JAMOのⅦが元ネタか?800は聴いた事があるけどドロンコーン使っているので低音がドロンとしている印象で薄くてクリアーな中高音との兼ね合いが好きになれなかった。
最近の小さな高級機はスパイク前提の物が多いように思うけれど、箱自体の動きを抑えるにはスパイクの方が適してるってことなのかもしれない。
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2022.1.24 追記
スパイクについて調べてみた。
動きを抑えるのではなく、動きやすくなるようだ。
動きやすいという事は元の位置に戻りやすいという事でもあるので、今回の場合は「動いて元位置に戻る」時間とか減衰のスピードが聴感とあっているという事なんだと思う。
スパイクを使っているラックをサブシステムに使っているが、確かに手で押すとふらふらと動きやすい。普段使いでは不満はないが、メインの方で使っているカートリッジを使って音量を上げてみたら「ダメだ、こりゃ」となるのかも?
重たいラックで出来るだけ振動(音)の影響を受けないようにするのか、動いたときにおさまりが良い方が良いのか、、、、
聴いてダメだと思ったら換えれば良いか。
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今回やってみてわかった事、でかいスピーカーでも石の上でスパイク受けごと滑らせられるので向きを変えるのが楽。
他のでかいスピーカーもやってみる?元々重くても効果でるかな?しかし50Kgの重さの下にどうやってセットするんだ?やめとけ(笑)
スーパーウーファーを別にすると良いのか?ConcertⅡにスーパーウーファーを追加して試してみる?
今回は上に重しとしてSB-MX100Dを載せているけれど、台にしている御影石に幅広のナイロンバンドでしっかりと縛り付けてみるのはどうかな?
まあ、気が向いたら色々試してみよう。