音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

パイオニア A-008 プリメインアンプ

 最近の「上から2番目はお買い得」に則って聴いてみる。

 

 1977年発売で120000円と、かなりの高級機。A-0012が気に入っているので、たぶん気に入る(笑) 

 

 基本的に音が出るとの事で購入。外観がまあまあ綺麗なので出っぱなしではないかなとも思ったが、ハマらないことに期待。

イオニア A-008 動作確認中

 初期動作確認。

 外観ではカバーの一部に軽いサビが出始めている、これはA-0012もそうだったのでそういう物として、他は綺麗な状態。メーカー修理シールは無し。

 動作での問題は以下の2点。

 PHONO2の右CHの入力RCA接触不良。

 グリグリで問題なし。

 「TONE ON」にすると右の音が半分になる。

 100HZのセンターの接触不良、グリグリで直ったが安定しない。

 この後のメンテナンスでの重点確認項目にしておく。

 おかしな発熱は無い。

 

 いつも通りカバーを開けて掃除。

 見える範囲は綺麗だったがエアーで吹くと綿埃だけでなく細い毛の混じった埃が下の方から舞い上がる、、、みぃゃあぁぁぁ。。。。

 

 A-008 清掃中

 エアーでの掃除は結構な時間をかけて吹いても何も出てこないようにしてから本格的にメンテナンス開始。

 

 基板や部品に残った汚れを刷毛で丁寧に掃除しながら観察。

 

 画像右のプリ基板のカバーも外して掃除。テクニクスだと88Aにはなくて99Aには有ったこのカバー、値段が中間のパイオニアテクニクスの上位寄り、って事だね。

 パワトラはパラレルP-P、シングルP-Pがマイブームだったのでこれは残念!(笑)

 A-0012とは出力を少し下げた他、トーンコントロールの充実度やMCカートリッジの入力インピーダンス切り替えくらいしか変わらない。

 0012が120W、これは80Wなので出力を番号に表した、ならば006の70Wは?型番を009にしてテクニクスの99Aの対抗馬にしてもおかしくない内容だと思うけど100Wの99Aには一歩引いてこうって事か。サイボーグ009のイメージが強すぎた時期なので避けたのかも。

 パイオニアは時々番号で迷走する。最たるものがチューナーのF-26、安物感しか感じない。最上位は「9」と決めておいた方が売りやすいと思うけどなぁ。

 

 カナブン色コンデンサーは見当たらず、液漏れやふくらみが出ている物も無い。出っぱなしのようなので安心したけど、天板のスリットから見えるところだけ綺麗に見えたのは、カバーを外さないでエアーで掃除したのかな?

 スイッチ類のいくつかは接点復活剤をかけたような形跡あり。って事は天板外して目立つところだけ埃を払って、復活剤をかけたのかな???

 

 まあ、現状に即したメンテナンスを。

 べたついた感じのスイッチは洗浄剤で洗ってグリグリ。

 接触不良が確認されたトーンのボリュームは裏板を外して洗浄後に酸化防止のために極軽く復活剤。

 他のスイッチ類も接点が見えるか完全密閉ではないものばかり、一通り目視チェックと洗浄。

 

 動作確認、問題なし。

 DC漏れは左右共に0.05V以下と優秀。

 バイアスは規定値が解らない、変な発熱も無いのでとりあえず問題なしと判断して当面様子見、何か感じたら計測して左右チャンネルで揃えておこう。

 ズレが少ないのは通電時間が長く無いと推測。

 

 音はA-0012とよく似ているけど、もう少し元気、帯域バランスはテクニクスなら88Aよりも99A(SU-8099)の方が近く、ややドンシャリなのだが99Aより全体にエネルギー感が抑えめ。高音域は耳にやさしく中音域も柔らかな余韻で心地よい、低音はパワー感は控えめで押し出しは強くないが響きは良い。

 上級機のA-0012と比べると低音は量感で劣るが軽快なので好みの問題かな、比べて貧弱に感じることは無い。中音域はA-0012の方が厚みがあって豊か、高音域は印象が良く似ているけどA-0012よりも煌びやかさが無くその分すっきりした印象。重厚感のあるA-0012に対して軽快なA-008といったところ。

 これはパイオニアだけでなく各メーカーが当時ターゲットにした購買層の年齢や音楽の好みもあるかも?雑誌でも中級機は「パワフルな若向きの音」高級機は「経験豊富な音楽好きも満足する」などと書かれていたし、同じ音質のモデルを作っても住み分けできないからねぇ。

 

 イコライザーはMMの負荷容量、負荷抵抗共に可変できる、古いカートリッジで遊べる仕様。負荷抵抗100Ωは何のため?当時のローインピーダンスMMとか、高出力MC用か?

 MCヘッドアンプは例によってオマケ、ローインピーダンスMCでは音が痩せる。

 

 トーンコントロールをバイパスしMUTEをONにしてヴォリュームを多く回してみたがヴォリューム位置による音質差は少な目だと思う、この時期の高級品に多いアルプスのヴォリュームなのだが、上から2番目にも良いボリュームを使うのはオーディオ専業だからこそ、だな。

 

 比較したアンプの記事はこちら。

新旧対決! テクニクス 99A(SU-8099) VS SU-V10 - 音遊び~オーディオのブログ

パイオニア プリメインアンプA-0012 点検/修理 - 音遊び~オーディオのブログ

 

 0012と008、値段が1.5倍だけど音の質感が大きく劣ることは無く、やはり上から2番目はお買い得、でした。