テクニクスブランドでの最後の798、のはず。
1987年、「SE-A100とSU-C200の技術を投入」となっている。SE-A100でテクニクスのパワーアンプの良さを知ったので期待してしまう。
まずは寸評、音質は買っちゃったバイアスかかってるので高評価前提(笑)
使い勝手は普通、セレクターのタッチボタンは好みではないけれど、80年代に入ってからは各社に有るのでそういう時代という事で。セレクター表記はボタンに刻んではなくプリントなので、擦れて読めない物も多いが今回の物は擦れは無く使用感が少ない。ここはボタンにレタリングするのではなく本体側の指の触れないところにプリントして欲しいところだけど、798にそこまで求めるのは贅沢か?
フロントに入力が1系統有るのはポータブルプレーヤーを繋ぐなどの用途かな、ガチガチのオーディオアンプというよりも使い勝手の良い中級機として良く出来ている。
音はテクニクスらしいバランスの取れた良い音。
セパレートアンプ同様の技術でも同じ音にはなる筈もない、低音の駆動力、音の厚み、音が消えていくときの静けさなど当然全体的に劣るけれど同傾向の音。
透明感や音の厚みは程々、やや暖かみがあるが湿った感じではない。余韻が綺麗で繊細な音も出る、ギザギザした音のない耳あたりの良さ。聴感上はフラットだが、同時期の低高音域に特徴のあるアンプと比べるとややカマボコに聴こえるかもしれないな、低音も高音も出しゃばらない。
重量級に移行する前のモデル、軽量なアンプとしては数年後のテクニクスブランドで価格が74800円のSU-A900(リモコン付き)というのも使っていたが、便利さでは劣るもののV80のほうが音が少し厚く心地良い。バブル時期だから良いって事でもないんだろうけど、、、、、実際に聴くと差はあると思う。
入手から音出しまで。
動作未確認品だったけど画像の雰囲気でなんとなく出っぱなしで程度良さそう、と思って勝負!
手元に届いて動作確認すると、軽微なガリがあった程度でグリグリ動かしただけで特に修理は必要なし。
カバーを開けると安心の埃だらけ(笑)掃除して完成。
それにしても中身が詰まってない。ケースも凝ってない。トランスは剥きだし。
軽い、といっても13.5Kgなので少し前なら普通の重さ。造りは安っぽく感じるけどスペックはこのクラスのライバルに劣らない。
リアパネルは入出力端子の表記がカタカナで、たぶん「入門機のトップ」の位置づけかね。
マイコン制御の電子セレクタ採用(要らないけど、この時期マイコンという言葉がやたらと流行った)となっていて、調べていないけど上位機種になるとリモコン付きだったりするのか?
バランスボリューム等はつまみを外したら樹脂のシャフトだった。この時期こういう部品は多かったらしい。現在問題ないけどなんとなく安いなぁ、と。
PCLボリュームという凝った物が付いてる。
「このボリュームは、表面を鏡面状に平滑化した超精密抵抗体と、金メッキを施した多接点ブラシの採用により、低歪・低雑音を実現しています。」
音、良さそうだ。
色々な意味でちょうど良いアンプ。