音遊び~オーディオのブログ

 ガレージで楽しむ古めのオーディオ

ONKYO Scepter SC-2 修理して活躍中

 SC-2の半艶の美しい突板仕上げは好みだ。

 セプターはオンキョー好きには特別な存在。グランセプターなんて使えるわけもないが、このサイズなら置き場所にも困らない。

 

 今ではこのサイズでこれ以上の価格も珍しくないが、1992年に1本125000円というのは高級機だ。

 

 もう修理してから3年ほど経過。メインシステム用のサブスピーカーとしてテクニクスSB-MX100Dと併用して使い込んでいる。

 

 少し前のモデルで同じくSCで始まるがScepterを冠しないSC-670/770と同様の仕上げで落ち着きのある高級感、今になってみるとレトロ家具のような趣。見えないところはガサツ(笑)で自作派が試聴しながら調音するような事をメーカーレベルで本気でやってる。

ONKYO Scepter SC-2 修理直後

 物欲の始まりは修理依頼のSC-1の完成試聴時に気に入った音が出ていた事。

 とはいえ小さすぎ低音が物足りない、ならばSC-2だな、と。探し始めてから入手までに5年以上かかった。流通は極端に少なく、感覚的には同時期同クラスのテクニクスSB-MX100Dの1割以下か?売れてないんだな。。。

 フロントバッフルにはフェルトが貼られ独特の雰囲気となるが、兄弟機SC-1が紺色なのに対してエンジ、小さい物に寒色系を使い大き目のこちらには暖色系、イメージの違いは音の印象の違いを上手く表現している。

 修理後に聴いたら暖かみの感じる豊かな低音を出すSC-2にこの色はしっくりくる。

 

 カタログには「前後バッフルに響きの良い米松合板を使用」とある。今は使われないけど、かつて自作派だった私には「贅沢な板」の印象、こういう宣伝文句にグッときちゃうおじさんは私よりも少し上の世代には多いんじゃないかな(笑)

 

 SC-2 ユニット

 バックロードホーン的なフロントスリットバスレフの中を見ると布地がくるりと張り付けてポート(ホーン?)を形成している。

 ウーファーはフロントパネルに細いネジで軽く留めて位置決めし、重たいウエイトの付いた重量は内部で支える。

 ツィーターは重量の有る大き目のプレートを介してフロントバッフルに付いていてマグネットにはガムテープが張ってある。。。。。調音なのだろう、硬化していたから新品のガムテープにしたら音が変わるな、そのうちやってみる?(笑)

  こういった小型スピーカーに重量を加えて音造りする手法は少し後のD-202AⅡLTDに受け継がれるけど、ガムテープは受け継がれなかった(笑)

オンキョー D-202AⅡ LTD D-202シリーズ - 音遊び~オーディオのブログ

 

 エッジ交換は少々苦労した。

 逆ロールエッジの外観を損ねたくないので加工しての作業となったが、見た目に違和感ないように完成。

 常時使用ではないが使い始めてもう3年以上、特に問題なく動作している。

 

 音質は柔らかで厚みのある豊かな音。

 低音はこのサイズでここまで出るかという重厚感。かなり低い音も貧弱にならずに量感がある。

 高音はやや強く主張するがクリアーで伸びやかなので気に入っている。個人的にはリボンツィーターよりもこちらの方が好きな音、OTTOのSX-P1よりもやや明るい綺麗な音だ。

 高音が良く出るスピーカーは多いが、耳に当たるギザギザ感を伴う物だとうるさく感じる事の方が多くて好きではない。SC-2は余計な音が出ていないのだろう、キラキラ程度に存在感がありきらびやかだが余韻が綺麗で無理している感は無い、さすが高級機。アルミマグネシウム合金の軽量振動版というこだわりは功を奏していると思う。

 低音も高音も存在感があるとドンシャリ?とはならない。

 中音域も厚みがあり余韻も綺麗。

 音全体が前に出てくる感じでヴォーカルとの距離が近い、楽器含めて全体的にかぶりつきの音がする。

 

 設置はどこまでやるか、求めるか。

 追い込めばさらに良くなるだけの実力は持っているけれど、、、

 フロントバスレフなので壁からの位置で低音の量感が大きく変化する事もなく、聴く位置に合わせて内側に向ける角度を好みの音になるように変えた程度に落ち着いた。小型スピーカーの割に音場が広いので設置に神経質にならなくてもそれなりに楽しめる。

 バイアンプ駆動できるので当初試してみた。少し高音域を押さえた方が好みのバランスになったけど、他のスピーカーと切り替えて使うので今はバイアンプではなく、設置で微調整して、良し!としている。

 

 低音と高音はおいといて、、、ヴォーカルはなんとなくFRX-20とも通じる、かな。