リボンツイーター搭載モデルはいくつか使ってます。
一番の好みはS-955Ⅲという事になり、これは長い事「所有している物の中で一番音の良いスピーカー」としてメインシステムで使い、マルチアンプで鳴らしていた時期もあった。
最初に使ってみたのはS-180Ⅲ。
ウーファーエッジ破損のジャンクを近隣のジャンクコーナーで見つけて、昔友人が使っていたのを思い出し、懐かしくなって購入。昔の印象はリボンツイーターが少々うるさく感じたんですが、加齢と共に聞こえなくなっていて好印象(苦笑)
修理して使っていると知人が懐かしがり、別のもう1セット入手して譲り、933が入って来たので修理代稼ぐために売って無くなって、、、何セットか使った933が無くなる頃にまた見つけてしまい、、、と3セット使いました。
同時使用ではないけど、3セットとも音の個体差は感じず、友人が持っていたものを聴いても音の印象は同じでした。
軽快で歯切れの良い低音、前に出るボーカル、リボンツイーターの綺麗な高音、音域の広さを感じる良いスピーカーです。ベリリウムリボンツイーターの音は同時使用していた955Ⅲと比べても差は感じませんでした。耳が大したことないからでしょうけど。
音が好みに合えば、ブラインドテストでは当時の10万円クラスよりこちらを選ぶ人も多いんじゃないかと思います。
1970年代スタートのS-180からの流れですが外観も木目(シートだけど)で嫌味でない程度の高級感があります。
この手のスピーカーの中では、だいぶ後のモデル、オンキョーのD-77RXと並んでお勧めです。明るい音ならS-180Ⅲ、厚みのある音でしっとり感が欲しいならD-77RXという感じかな。
ドームツイーターの180Aやその後の180Dは聴いたことがある程度で使ったことは無いですが、後継機がしばらく続きますのでパイオニアの普及価格帯の顔であったことは間違いないでしょう。
S-933、これも複数使っています。
最初に聴いたのは秋葉原、すでに高級機として名を売っていた955がマイナーチェンジ、ジュニア機として新製品933追加の雑誌の記事を見て聴きたくなって。高音がうるさい、ドンシャリ、どこが高級なんだ?
一緒に聴いた955は良かった、買えないけど耳の保養。
見た目チープで実際に値段も安いオンキョーのM-6Ⅲを店員さんに勧められたのをよく覚えている。M-6Ⅱのときも勧められた、オンキョーの回し者だったのか?
933の外観は955譲りで高級感あり。
昔の印象が良くないので最初のセットはお試しで、傷だらけの物。やはり良い印象ではなく、その原因は後に解るのですが933はいくつもある。
これはやばいなと思ってから次を購入するときはいくつか注意点をチェックするようになりました。シリアルで追いかけて全部調べたわけではないので、いつ頃に替わったのかなどは不明、もしかすると仕向け地で音を変えていたとかも???
以下、私が入手したもので調べた結果、無責任なメモ書きです。
エンクロージャーで、前期後期、さらにユニット(これは955と絡めて後でまとめて書きます)の違いも入れると後期が2種類あるので、ここでは前期中期後期としておく。
外観の特徴と音の印象
前期 個人的には酷いドンシャリ、リボンツイーター押し? 低音は歯切れ悪い
エンクロージャーのバスレフポートがストレートのパイプで短い物
吸音材はグラスウールのみ、ポートから見える
リアの左右プリントが丸の中にL、Rの表記
中期 ややドンシャリ、中域はやや薄く低音は量感が前期より減るが良いと思う
バスレフポートがL字に曲げてあるので中は見えない
吸音材はウーファー左右にフェルト、下と裏板にグラスウール
リアには「LEFT」「RIGHT」のプリント
後期 音のバランスが良い。中音域艶やかになる。
エンクロージャーは中期と同じ、ユニットはスコーカーが金色になっている
ここまで書いておいてなんですが、前期中期後期が逆順だったら嫌だなぁ、955とは違い933は好みじゃない方に変化していったという事になります。
音は全体としては金色スコーカーの物ならばS-180Ⅲと比べてもバランスも良く厚みもあって良いと思う。
低音は30センチクラスのウーファーにしてはマグネットが小さく(オンキョーM6Ⅱを修理時に比べると歴然)迫力に欠け、180の軽快な低音の方が好印象。
中音は金色スコーカーなら180Ⅲのコーン型より艶があって良いが、グレーの物はエネルギー感が無くやや貧弱。
高音はさすがリボンツイーター、のびやか。
金色スコーカーの物ならば今も好き。でもS-180Ⅲが充分に安かったらそっちを選んでしまうかも。
そして955です。
これは安い物ではないので933でハマったのもあって購入前に少し調べました。
最初に聴いたのは933と一緒に秋葉原、CSではなくSの955、そしてしばらくたってS-955Ⅲも聴いてます。店頭で聴いて、記憶の中の旧モデルとの比較等出来るはずもなく、どちらも良いなぁという印象。実は第一期の最後にS-955Ⅲを買おうかと真剣に考えていて、その大きさと重さで冷静な判断でやめたのです。
第2期では置き場所があるので、よし!っと購入するきっかけはマルチアンプやってみたかったから。
最初に買ったのが色々考えて、やはり断念した最終モデルS-955Ⅲ
これは購入時にはS-955のユニットに交換されていて、それに気が付いたのは切れたエッジを交換するついでにターミナルの接触の改善のためグリグリやっておこうとユニットを外したから。S-933も持っていたので何気なくそちらも外して比べたらツイーターの品番が同じで???
オーディオ店から中古で購入、外見では判らないので全く疑っていなかった・・・
見た目ボロボロのジャンクを買って本来のユニットに交換しました。スコーカーも違ってましたね。まあ、S-955の音も聴けたという事で結果オーライ。
S-955のスコーカーよりも955Ⅲの物の方が少し音が明るくクリアーな印象です、温かみは955の物の方があるかな。
ベリリウムのリボンツイーターは正直、解りません!若い時の耳なら振動板の違いが解ったのかなぁ、多分判らないんじゃないかと思います。
バスレフポートが小さくなったのと、スコーカーの音色が変わったのが一番大きな違いじゃないかと思います。
全体の音の印象、2020年現在、他の音も色々聴いたうえで昔とは少し違います。
低音は量感があってふくよか、昔の印象よりは少し解像度が低い感じだけど重低音も迫力あります。この時期の大口径ウーファーなので解像度はそれなり、欲張り過ぎはいけません。
中音は今でも一級品、これはⅢでなくても「質」は同じレベルだと思います。今の時代では他に色々と新しい音を聴いてますから解像度が凄く高いとは思いませんが、艶のあるボーカルを聴かせてくれます。
ツイーターはきらびやかで軽快、厚みのあるしっとりした音ではないので、ここが好きでない人には合わないかも。
音のバランスは「ドンシャリの物凄く良い音のヤツ」悪口ではないです。
シングルアンプではアッテネーターで少し中高音を下げて使ってました。昔の「畳と襖の部屋」ではない、今の環境では高音が出すぎるように思うという事です。それと駆動力が無いアンプだと低音は「ボワン」とします。中級プリメインアンプでは役不足でしょう。
アンプは好みです、マルチアンプでは色々やって面白かったですが、音をまとめるには結局同じ系統のアンプにしてました。
シングルアンプで使うには個人的なベストマッチはエクスクルーシブM4。低音はやや控えめな印象でこれ見よがしにならず立体感と艶のある音が楽しめます。M4aなら他のアンプで良し、音はクリアーになりますが立体感が無くなるのでM4に限ります。
ハイパワーアンプはパイオニアにも他にも色々ありますが、低音凄いぞ!というタイプよりも、駆動力がしっかりしていればバランスの良い中高音の綺麗なアンプを使うと、でかい955の存在感が無くなるような、そういう音が聴ける。かもしれません(笑)
それと、955の音の決め手はスコーカーだと思っています。これは933を何セットか使って確信しました。
6.5Cmベリリウムドームスコーカー、と書くと同じように感じますが、933と955は全くの別物。ユニットの大きさも重さも違うし、ダンパーも違います。イメージだけ持って来て安く作った、という事でしょうね。933は音をまとめられず、ひそかにマイナーチェンジを繰り返し何とかしようともがいたんじゃないか???
色々好き勝手書きましたが、大切な事を。
「ああ、良い音だなぁ」は今も変わらない印象です。
手放してしまいましたがS-955Ⅲ、眺める楽しみまである高級品です。置き場所に困らず定期的に鳴らすことができるなら持っていたいスピーカーです。
覚書 ユニット品番 実機調べ
メーカーの資料でも出てこない限り信頼するに値するデータは存在しないと思います。
ユニット交換が当たり前の製造から40年後、私がもがき楽しんだ結果です、 今更なのでオリジナルかどうかは解りません、シリアルもメモしてないし記録していないものもあります。私個人の備忘録ですので妄信しないでください。
尚、情報頂けば追記していきます。
W ウーファー
M スコーカー
T ツイーター
S-933初期
W 30-757A
M DS-044A
T PT-R7Y
S-933中期
W 30-757A-2
M 記録なし
T PT-R7Y-3
S-933後期
W 30-753B
M DS-041A (金色)
T PT-R7Y-3
S-955
W 記録なし
M DS-042A
T PT-R7Y-3
S-955Ⅲ
W 36-805A
M DS-045A1
T PT-R7X