エッジのメンテナンスを時々やることにしている。
一時期アルテックを使っていたことがある。604Eという同軸のユニットをデカい箱に入れたもので、朗々と鳴る。
キャザードクロスエッジでビスコロイドの黒いベタベタが下の方に垂れていた。
クロスエッジは長寿命といわれているが、補修用のエッジがいくつも販売されていることを考えると、やはり長く使うと破れるようだし、ビスコロイドが乾いて固くなっていると動きが悪い。時折見るコーン紙の破れているものは、硬いままのエッジで大音量で再生したことがおそらくは原因だろう。
動かさないとより固まるようで、眠っていたものは長い時間をかけて適度な音量で鳴らして徐々に「揉んでやる」とどんどん良い音になっていく。
今思うと私は爆音は出さないのでちょうど良い感じに動くようになっていったという事だと思う。
硬化したエッジに使う軟化剤は、昔はアルテック用に市販品があったように思うけど、最近はブレーキオイルで充分という事になってるらしい。
が、刺激臭があるし、諸々の経験からすると樹脂(接着剤も古い物は概ね樹脂です)に拠っては悪影響はあると思う。
シリコーン系の艶出し剤を使っている人もいるが、それも臭いが嫌だし、触ると妙にツルツルした感じなのも気に入らない。
今使っているのは、ゴムの軟化剤で無臭。
即効性はなく、かなり時間をかけて浸透する。
元々、ゴムを柔らかくするという商品なので腐食の心配はない。
古く硬くなったゴム部品で色々と試したが、ドブ浸けにして密封しておくとふやけて大きくなりブニブニにまでなった、それを空気に触れるようにして1か月ほど経ったら元の大きさに戻り、ゴム本来の柔らかさに。乾燥後はべたつきも無い。
この結果を踏まえて、テクニクスのラバーコーティングクロスエッジに使っている。一度にたくさん塗らず、刷毛で薄く延ばすように塗って浸透乾燥を待つ。
10日ほどすれば単に黒く柔らかいエッジとなる。硬い場合は何回か繰り返す。数年に1回やれば充分だと思う。撥水性があるので防湿にもなるだろう。
もう、ビスコロイドを使ったスピーカーは使う事は無いかなと思っていたら、つい買ってしまったオットーのウーファーが逆ロールのクロスエッジだった。
音は出るもののエッジは白く乾き、収縮したのが皴もあり固い。当初は全然低音が出ないので、中高音がうるさく感じたのだが、少し使ううちにだんだんと低音が出てバランスの良い音になってくる。白く乾いていたエッジのところどころが黒くしっとりした見た目に変わる。
そこでビスコロイドにも使えそうなので、いつもの軟化剤を使ってみる。
昔の方法だが理にかなっていると思うので、配線の長さに余裕があって取付が可能ならウーファーは上下逆に取り付けしたい、ので、どうせならとユニットを外して裏表両方に塗布。
数日したら音出ししてみよう。呑気な趣味だ(笑)
乾燥してくるとべたつきは無いし、黒さが戻って見た目も良い。エッジの捩れも音出ししているうちに気にならないくらいに元通り。
現在メインスピーカーはテクニクスだけど、低音が戻ってきたらオットーの音もかなり好み、気分良いので当分は使うつもりです。