21A、流通はあまり多くないと思う。
1979年当時59800円と当時のプリメインアンプ主力価格帯並、パワーアンプとしては1980年からはSE-A806/808と下位機種があるので入門機だが中級の位置づけだろう。21Aという呼び名(商品名?)の付いていた最後の世代で、後継はSE-A7、SE-A1000へとつながるのかな。
メインシステム用の普段使いとして、状態の良さそうな物を偶然見つけたので調整後に使い始めた。
中身は片チャンネル辺りパワトラ2個のオーソドックスなP-Pアンプ。プリメインアンプ88A(SU-8088)が同時期のDCプリメインアンプで同じかと思ったが、パワトラはテクニクスではなくNEC製で出力も60+60Wと少な目。シングルP-Pでももう少し出力は稼げそう、余裕をもたせているのか電源トランスは出力の割には大きいし、テクニクスロゴ入りのカバーも立派。外観は安っぽくはないが存在感少な目、メカニカルな印象や重厚感は無くすっきりしている。
他社の同程度の出力の物は価格が少し安いので、単に仕様だけ見ると割高感があるかも。
ダイヤトーン610といえば。。。アンプネタ3連チャンの1番目 - 音遊び~オーディオのブログ
音質は素直。
あっさりしているが立ち上がりが良く軽快な低音、中高音の余韻も程よくあり耳障りな音は無く音粒は細かい。今は他にもっと上級なアンプも持っているので、特に解像度が高いとは感じないが定位やセパレーションも安物のアンプの物ではない。
テクニクスらしい優等生な音でどんな音楽もさりげなくこなす。サブシステムで使っている99Aと比べても音の押し出しは強くない。元気な音のするアンプと比べると「つまらない音」の印象になるかもしれないが、セパレートアンプとしては音の癖が無い方が使いやすいので、こういう音造りは好みだ。
大型のスピーカーや低能率の物ではウーファーの駆動/制動に非力さが出るのはこのクラスでは仕方のないところ。好ましいのはボワンボワンとまではならず、「出せないけれど、その分収まりは悪くない」という感じでヨレヨレした音にはならない。
変に背伸びしたところのない真面目なアンプ、良い買い物でした。